夢幻水滸伝
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第三百七十話 後輩であり友人でありその三
「とてもね」
「やっていけへんですか」
「一人で出来ることなんて限られてるわ」
それこそというのだ。
「まさにね、けれど二人なら」
「より多くのことが出来ますね」
「そうよ、あんたの力が必要なのよ」
「僕なんかが」
「なんかじゃないわ、サッカーで言うと名キーパーよ」
この世界でも人気のあるスポーツの話に例えた。
「ほんまにね」
「名キーパーですか」
「そうよ、あんたでないとね」
「駄目ですか」
「そうよ、あんたもあたいと組むの嫌?」
「いえ」
アマードもコーヒーを飲んでいる、そのうえでアレンカールに答えた。
「先輩でしたら」
「頼りにしてくれるかしら」
「はい」
確かな顔と声での返事だった。
「信じられます」
「あたいなら」
「起きた世界でもよく一緒にいて」
「あたいを見ているから」
「そうですさかい」
「信じてくれるのね」
「こちらの世界での行いも聞いてます」
このことも話すのだった。
「サンパウロを拠点として頑張っておられますね」
「そのつもりよ」
「やはり先輩やとです」
「思ってくれてるのね」
「はい、ですから」
「あたいを信頼してくれて」
「先輩とならです」
まさにというのだ。
「一緒にです」
「やっていけるっていうのね」
「そう思います」
「そうなのね」
「ですから先輩が申し出てくれてです」
今話をしてというのだ。
「嬉しいです」
「それじゃあ」
「僕でよかったら」
「二人で」
「やっていきましょう」
「その言葉待っていたわ」
アレンカールは満面の笑顔で応えた。
「絶対にそう言ってくれると思ってたけどね」
「実際に言ってですか」
「嬉しいわ、ほなまずはね」
笑顔のまま言うのだった。
「ブラジルの統一をね」
「進めますね」
「内政を行いながらね」
「そうしますか」
「ええ、ただアマゾンはね」
広大なこの地域はというと。
「探検隊は送ってね」
「調査はしますね」
「そうするけれど」
それでもというのだ。
「開発はね」
「されないですか」
「河川部の街や村を掌握する位よ」
「点在している」
「それ位でね」
あくまでというのだ。
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