決戦前夜
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第七章
「だってあまり戦わないし巨人は嫌いでも」
「巨人じゃないとでしょ」
「別にね」
これといってというのだ。
「嫌いじゃないわ、好きでもないし」
「だからお互いね」
「怨みっこなしで」
「普通に試合観ていきましょう」
「それじゃあね」
「ただ巨人が負けたことは嬉しかったわ」
咲はこのことについてはにこりと笑って述べた。
「巨人は嫌いだから」
「それってこのクラス全員だしね」
「巨人が負けたなら」
それならというのだ。
「もうね」
「それでよしなのね」
「そうよ」
明日夢に笑顔のまま話した。
「だからね」
「それでなの」
「そう、もうね」
それこそというのだ。
「巨人がいないシリーズは嬉しいから」
「そのことはいいことなのね」
「いや、ベイスターズよくやってくれたわ」
咲はこうまで言った。
「巨人やっつけてくれてね」
「勝てると思わなかったけど」
「やっつけてくれたからいいのよ」
結果としてというのだ。
「だからね」
「それでなの」
「感謝してるわ、けれどシリーズはね」
「怨みっこなしで」
「それでやりましょう」
「ええ、じゃあお互いにね」
「日本一賭けましょう」
二人で言い合った、そうして互いの健闘を祈り合った。クラスはそんな二人にまあ頑張れとどちらのチームのファンでもないので軽く言っただけだった。そして二人はそれぞれのチームへの全力の応援に入るのだった。
決戦前夜 完
2024・10・27
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