それはカルトだ
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第二章
「神様とか救世主とか」
「持ち上げられているわね」
「ええ、それで団体生活とお布施とか」
「言ってるわね」
「これはね」
母に本気で言った。
「カルトよ」
「そうよね」
「お母さんもわかるわね」
「わかるわ」
実際にと答えた。
「伊達にこれまで生きていないから」
「わかるわよね」
「ええ」
実際にというのだ。
「だからあんたにも言ったのよ」
「こうした宗教団体が来たって」
「最初からおかしいって思っていて」
「私がどう思うか」
「聞いたけれど」
「絶対に怪しいわ、入信したら大変よ」
「断ることね」
「大体私達もう臨済宗でね」
自分達の信仰のことも話した。
「お寺お参りするし神社もだし」
「それならね」
「もうね」
それならというのだ。
「いいから」
「それじゃあいいわね」
「いいわ」
こう言うのだった。
「この団体は無視」
「完全にね」
「お父さんにもお兄ちゃんにも行って」
「それで終わりね」
「二人共馬鹿じゃないから」
残る二人の家族もというのだ。
「安心していいわ、しかし世の中ね」
「騙される人もいるわね」
「そこまで頭があれか絶望しきっていて」
「ついついよね」
「入る人がいるのよ、入って救われるどころか」
「地獄よね」
「そっち行きよ、だから普通の状態でいるなら」
それならというのだった。
「絶対に騙されない、それで絶望しても」
「今の信仰があるわよ」
「だからいいのよ、まあ頭があれな人は」
「仕方ないわね」
「そうした人はね」
母娘で話した、そしてだった。
家に帰ったそれぞれサラリーマンをしている父と兄にも話した、すると二人共こんな団体は相手にしないと言った、それで一家での話は終わったが。
後にこの団体は何かと問題を起こした、それで一家は関わらなくてよかったと思った。カルト教団には。
それはカルトだ 完
2024・10・25
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