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犬と氷

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第二章

「それでな」
「それでなのね」
「これから結構家の中で遊ぶだろうな」
「そうね、それじゃあね」
「ふわりの遊び相手になるよな」
「お母さん今日は家にいるし」
 百合子はそれでと答えた。
「だからね」
「じゃあ頼むな」
「そうするわね」
 息子に答えた、そうしてだった。
 仕事に行く息子を見送った、それから暫くしてふわりはケージから出てそうしてであった。そのうえで。
 活発に遊びだした、百合子はそんな彼女と遊んだ。ふわりは慎重に歩いた分家で遊んだのであった。
 そしてだ、よく寝たが。
「ぐっすりか」
「今日のお昼もね」
「よく動いたらな」
「よく寝れるわね」
「それは同じだな」
「人も犬もね」
 家に帰った息子に答えた。
「もうね」
「そうだね」
「食持ちよくね」
「寝ていたんだな」
「ええ、それで夕方には」
 この時はというと。
「氷も溶けていて」
「滑らなくてか」
「それでね」
 そうであってというのだ。
「いつも通りに元気にね」
「走ってもいたんだな」
「そうだったわ」
 まさにというのだ。
「それでご飯もね」
「よく食ってか」
「また寝てるわ」
「よく動いてよく食ってよく寝る」
 まさにとだ、母は息子に話した。
「犬はそうでないとな」
「そうね、それじゃあ」
「道が凍ってる時は家の中で好きなだけ遊ばせような」
「そうしましょう」
 親子で話した、そうしてだった。
 二人でふわりを見た、見れば今はケージの中で丸くなって気持ちよさそうに寝ている。

犬と氷   完


                   2024・10・23 
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