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新オズのかかし

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第四幕その九

「それなら今から」
「藁を入れ替えるんだね」
「かかしさんの中の」
「そうするといいんだ」
「はい、そして」
 それにというのです。
「快適にされては」
「そう言ってくれるなら」
 かかしはセドリックの好意にそれならと頷きました。
「今からね」
「そうしましょう、それに」
「それに?」
「かかしさんの今の藁ですが」
 身体の中にあるそれはといいますと。
「使わせてもらっていいですか?」
「藁は藁で色々使えるからね」
「はい、ですから」
 それでというのです。
「今からです」
「そうしていいんだね」
「はい、そして」 
 それにというのです。
「かかしさんは快適になってくれますか」
「それではね」 
 かかしは笑顔でまた頷きました、そうしてです。
 セドリックと彼のお母さんから刈り立ての藁を受け取って自分で藁を入れ替えました、かかしの服のボタンを開けまして。
 そこにある古い藁を出して新しい藁を入れます、そうしてあっという間に身体の中の藁を全部新しいものにしますと。
「動きやすいね」
「すぐに終わりましたね」
 ナターシャは楽しそうに動くかかしに言いました。
「入れ替えは」
「それもお一人でされましたね」 
 恵梨香も言います。
「まず古い藁を全部出して」
「そこに新しい藁を入れて」
 そうしてと言う神宝でした。
「ボタンを閉めて終わりでしたね」
「身体の中に藁がなくても動けましたね」
 カルロスはこのことを言いました。
「服のままで」
「藁がなくても動けるんですね」  
 ジョージは目を瞠って言っていました。
「そうなんですね」
「うん、こうしてね」
 まさにとです、かかしはナターシャ達五人に笑顔で応えました。
「いつも替えてるんだよ」
「お一人で、ですか」
「そうされてるんですね」
「身体の中の藁を替える時は」
「そうなんですね」
「それもすぐに」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「他の人の手はかけないよ」
「それ位は、ですけれど」
「かかしさんはお一人でされますか」
「凄いですね」
「他の人にあれしろこれしろなんて言わないで」
「ご自身だけでなんて」
「それがかかし君だよ、誰かに気遣いをさせることはね」
 樵が五人に言いました。
「ちゃんとしてるよ」
「そう言う君だってだね」
 かかしはその樵に突っ込みを入れました。
「油を差して磨くことも」
「うん、この身体の隅から隅までね」
「君はしているね」
「そうしてだよ」
 まさにというのです。 
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