マゾの先輩

　　　　　　　　　　　　　　　　マゾの先輩
　サラリーマンの柳本勇作は眼鏡をかけて顎がすっきりとした顔で下を向いた様な目を持っている。黒髪は少しぼさぼさで背は一七〇位で痩せている、趣味は読書とテレビゲームである。
　その彼が不意に会社の後輩の木下満里奈きりっとした目鼻立ちでやや面長の顔と黒いセットされたロングヘアに一六七程の瀬戸見事なスタイルを持つ彼女に言われた。
「私と今度パーティーに行きませんか」
「パーティー？」
「はい、先輩ならです」
　木下は柳本に真顔で答えた。
「きっとお気に召されます」
「そうしたパーティーなんだ」
「そうです、そのパーティーにです」
　是非にという口調だった。
「参加して欲しいのです」
「木下さんと」
「初回は体験ということで」
　それでというのだ。
「無料ですし」
「お金いらないんだ」
「そうです」
「それで別にやばくないよね」
　柳本は木下に問い返した。
「犯罪になる様な」
「そのことはご安心下さい」
　木下は真顔で答えた。
「断じてです」
「犯罪じゃないんだ」
「麻薬関係ではないですし」　
　そのパーティーはというのだ。
「よく聞く詐欺や脅迫はある」
「そうしたものでもないんだ」
「あくまで趣味のです」
　それに基づくというのだ。
「パーティーです」
「そうなんだね」
「はい、それで宜しいでしょうか
「初回は無料だね」
　柳本はこのことについて確認を取った。
「そうだね」
「左様です」
　木下はその通りだと答えた。
「ご安心下さい」
「それじゃあね」
「はい、今夜一緒に行きましょう」
　木下は笑顔で応えた、そうしてだった。
　彼女は柳本を銀座のある店に案内した、木下は銀座自体ほぼ行ったことがないので違和感を感じていた。
　だが店があるというビルに入り。
　その店に入ってだ、彼は仰天した。
「ここは一体」
「会員制のＳＭクラブです」
　木下は笑顔で答えた。
「そうしたパーティーを楽しむお店です」
「そうだったんだ」
「ご覧の通りです」
　見れば老若男女がそれぞれのプレイを楽しんでいる。