窓越しに仲良し
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第二章
「そうだしね」
「ええ、今日も来るわね」
「そろそろかな」
「キキッ」
「キィッ」
言った傍からだった。
家の庭に二匹の栗鼠が来た、そして。
庭の木にある鳥の巣のところに来てだった、そこに置いてある餌を食べた。それから家の窓のところに来ると。
「ニャア」
「ウニャア」
「ニャオン」
「ミャウン」
家の四匹の猫達がだった。
窓のところに来てだ、窓越しに栗鼠達と足を突き合ったり鼻を寄せ合って遊んだ。夫はその様子を見て妻に言った。
「今日もね」
「窓越しに遊んでるわね」
「うちもそうだね」
「ブラジルでもそうね」
「うん、こうしたことはね」
夫はさらに話した。
「ボブキャットでもあるそうだよ」
「あの生きものでも」
「ボブキャットは人里にも来るから」
そうしたこともあるからだというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「うちやブラジルのそのお医者さんとこみたいに」
「窓越しになのね」
「猫と遊ぶことがね」
そうしたことがというのだ。
「あるんだよ」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「これからも」
「うちの子達も栗鼠の子達もね」
「窓越しでも仲良くいられる様に」
「していくことね」
「そうしていこうね」
「そうね」
妻は夫のその言葉に頷いた。
「それじゃあね」
「僕達はその努力をしていこう」
「わかったわ、じゃあまたね」
妻は夫に応えて言った。
「鳥の巣のところに餌を置くわ」
「そうしようね」
「そして栗鼠の子達がいつも来る様に」
「していこう」
「是非ね」
笑顔で話してだった。
夫婦で今は窓越しに遊ぶ猫達と栗鼠達を見ていた、彼等の姿は見れば見る程幸せなものであり夫婦も見ていて自然と笑顔になったのだった。
窓越しに仲良し 完
2024・10・22
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