おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその二十七
「余計に頭に残るかもって思ったわ」
「今ですか」
「ええ、そんな人は反面教師にして」
それで終わらせてです。
「ひながたになる人達を覚えておくことよ」
「ずっとですね」
「新一君はいい人達にも随分会ってるでしょ」
「嫌な奴よりずっと多いです」
「だったらそうした人達をひながたにして」
そうしてです。
「覚えてよ」
「いい記憶にすることですね」
「この人みたいになりたい、したいって思って」
「いさんでいくことですね」
「そうよ、誰だって最初は出来ないけれど」
どんなことでもです。
「努力していったらね」
「出来る様になりますね」
「何をしても同じでもないから」
お勉強でも何でもです。
「努力していってね」
「そうしたらよくなりますね」
「先輩なんてね」
長池先輩を見て新一君に言いました。
「毎日お勉強もされて」
「ひのきしんもですね」
「いさんでおられて」
そうされていてです。
「しっかりとされてるのよ」
「そうした人ですか」
「わかるでしょ」
今の先輩のお姿をです。
「新一君がこれまで会ってきた質の悪い人達と違うでしょ」
「その中でも最低だと思っていました」
「そうだったのね」
「ですがいいところもあるんですね」
「だからいい人なの」
こう訂正させました。
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