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新オズのかかし

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第三幕その八

「隣にギリシアのアポロン神の神殿があったり」
「普通だからね」 
 かかしも言います。
「そうだね」
「オズの国ではね」
「だからキリスト教しかないと言われても」
「違うって思うね」
「実際に色々な神様がおられるし」
「元々オズの国の神々だってそうだしね」
「外の世界ではずっとそうだったからね」
 その外の世界から来た魔法使いがお話しました。
「アメリカとかではね」
「そうだったわね、同じキリスト教でもね」
 ドロシーも言います。
「宗派が違うとね」
「色々揉めたね」
「アメリカでもね」
「プロテスタントじゃないと駄目とか」
「そういうことがあったわ」
「それもよくね」
「人はその目で見ないとわからないからね」
 かかしは右手の人差し指を立てて言いました。
「だからだね」
「それでよね」
「そう、神様にしてもね」
「その目で見ないとわからないわね」
「そうだからね」
「その存在が」
「外の世界で神様を見ることは」
 そうすることはといいますと。
「非常に難しいわね」
「感じることは出来ても」
「そうだからね」
「そうしたことがわからないのね」
「そして間違えるんだね」
「そうなのね」
「神様はね」
 本当にというのです。
「多くの宗教があってね」
「沢山の神様がおられるのね」
「キリスト教の神様は一柱だね」
 かかしはドロシーにお話しました。
「そうした世界ということだよ」
「キリスト教はキリスト教ね」
「そしてギリシア神話の世界ではね」
「神様は沢山おられるわね」
「ゼウス神やポセイドン神がね」
「そういうことね」
「本当にそれぞれね」
 まさにというのです。
「世界はね」
「沢山あるのね」
「神様の世界もね」
「神様も沢山おられる」
「そうしたものだよ、世界は一つじゃないんだ」
「沢山あるのね」
「キリスト教だけじゃないから」
 だからだというのです。
「そのことをわかって」
「信仰も行っていくことね」
「信仰はとても素晴らしいことだけれど」
「そうしたことをわかってこそ」
「本当の意味で神様の教えに近付けるんだよ」
「簡単な様でね」
 かかしのお話を聞いてです、トトは言いました。
「理解することはね」
「難しいかな」
「僕達にはそうだね」
「キリスト教しかないと思っていたら」
「最初にそう言われたらね」
「それが絶対と思ってしまうね」
「だからね」
 まさにそれでとです、トトはかかしにお話します。ドロシーの足元で穏やかで真面目なお顔になっています。 
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