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同志諸君に告げる。これが理不尽だ!

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第28話

 
前書き
サイト管理者です。第28話になります。
どうぞ、ご覧ください 

 
 「〈ヤマト〉、白色彗星前方にワープアウト!」

 ヤマトだと? テレザート星へ任務の為に地球から旅立った、あのヤマトか。確か、同志古代艦長代理が指揮を執っていたが、現在は同志土方宙将が指揮を執っている…。

 ヤマトは何をしようとしているんだ?

 まさかだが、波動砲で挑むつもりか?…どう考えても無理では??

 バスターレーザー艦隊と波動砲艦隊の総力結集してもなお、無力化されたのだ。

 どう考えても、いや、考えることすら必要が無いぐらい、誰でも分かるのだ。…通常艦艇では無理である、と。

 通常艦艇でさえバスターレーザー艦や波動砲艦だが…ガミラスはその、な? 

 「〈ヤマト〉、波動砲へのエネルギー収束を開始」

 「エネルギー収束率上昇…いえっ、こ、これは、異常上昇です! 通常の数倍の数値!」

 …む?、この数値、地球の最新鋭艦であるアンドロメダ級よりも大きく上回っている。いや、遥かにが正しいだろう。

 「報告。〈アンドロメダ〉、後部両舷の補助推進機関部に、ドレッドノート級2隻が接続。時間断層にて緊急修理に移るとのこと」

 アンドロメダといえば…そのアンドロメダの一番艦の〈アンドロメダ〉は時間断層にて緊急修理しなければならない程に酷い損傷だ。

 はよ離脱しろと声高に言いたいぐらいだ。まぁ、引き継ぎ云々があるのは軍として当然。

 「オリビア将軍閣下。地球連邦政府大統領ニコラス・ベネットの声明が発表されております」

 地球連邦政府大統領ニコラス・ベネット…全艦隊にか?

 「はい、全通信チャンネルを介してです」 

 そうか、…回線を開け。

 「はっ!」

 内容はやはり…。 

 『ーーー我々、地球人類は、侵略に膝を折るつもりは無い。3年前にも滅びの淵から這い上がってきた我々だ。地球人類は決して屈しない!我々は最後まで戦い続ける!自由と平和を守る為に、子供達の明日の為に!!』

 徹底抗戦をする声明であったか。当然だな、負ければ全てが失うのだから。

 ミドガルドギルドもかつては…。

 「…ッ!〈ヤマト〉、”トランジット波動砲”発射体制を解除!」

 「な…ッ!?」

 なんだと!?

 「〈ヤマト〉、更に機関を停止した模様。重力傾斜に捕まりました!」 

 い、いったい何が…っ! 機関部の不調かっ? あるいは何者かが意図的にっ?
 
 意図的であればそれは許すまじ行為である。

 何はともあれ呆然と見続けている訳にもいかない。このままでは、〈ヤマト〉は白色彗星に呑み込まれてしまう。

 そう思っていた時である。〈アンタレス〉がヤマトの救助に向かったのだ。

 頼んだぞ、〈アンタレス〉。あぁ、でも、念のため救助応援しよう。やって来るガトランティスの戦闘艦艇を追い払おう。

 〜〜〜10分後〜〜〜

 「〈アンタレス〉、重力傾斜の影響範囲外への退避を開始!」

 「〈ヤマト〉、彗星の中へと吸い込まれていきます!」

 なんてこった。

 「オリビア将軍、本艦も引きずり込まれつつあります」

 …致し方ない。左反転一八〇度、重力傾斜の影響圏外まで退避せよ。急げ。

 「はっ!」

 〈アンタレス〉が〈アンドロメダ〉とすれ違う頃になり、ガトランティスの新たな動きが感知された。 

 「白色彗星内部にて新たな反応を検知、ガトランティスの増援と思われます。数およそ1万!」

 …離脱を急げ。

 「はっ!」

 約10000隻の戦闘艦艇、か。このガトランティス艦隊はおそらく掃討の為に差し向けてきていること間違いなし。

 これに対し我々ミドガルド軍も含めても真面に戦える艦艇が半分はあるとはいえ、これでも十分に危険な戦力。

 デ・ブラン帝国と”かの存在”での戦争では少ない損害を貰ったが、ガトランティスとの戦争はそれ以上だな。

 反転離脱を開始する〈アンドロメダ〉と〈アンタレス〉、そして私が座乗する艦を逃すまいと、ガトランティス軍1万隻は傘に掛かって追撃を始めて来ている。来るな来るな戻れ戻れ。

 「敵艦隊の一部より破滅ミサイルが発射、数は8!」

 だから来るな来るな戻れ戻れ。お前(破滅ミサイル)は特に来るな回れ右しろ。

 「敵ミサイル、さらに加速! 」

 あぁ、もうなんて理不尽な日なのだ!援軍はよ来いであるな本当!

 …んっ、なんだ、こんな時に念話(テレパシー)っ!

 …………フフフっ、あぁ、了解した、援軍を心待ちに待っているぞ、同志創造主? 楽しみにな。

 


 〈???SIDE〉

 ガトランティスは『蛮族』とも揶揄されている、典型的な戦闘種族。

 そう呼ばれているのは彼等ガトランティスが闘争心剥き出しで、手あたり次第に襲い掛かるからだ。宣戦布告も無く、目の前にあれば飛びついて食らい尽くす。

 科学者のみが奴隷として確保され、それ以外は女子供関係なく殺される。

 確保された科学奴隷はガトランティス軍の技術を向上させている糧とされ、蛮族と呼ばれながらも侮れない所以とも言える。…だが彼等ガトランティスは唯の典型的な戦闘種族では無い。

 ガトランティスは宇宙中を駆け抜けては星々を席巻し、他文明を圧し、根絶する。ガトランティスの進撃は止まらない。…次なるその対象は地球。

 まさに唾棄すべき『忌むべき存在』。『遺産』によるものとはいえ、それだけの戦力を保持しているガトランティスの存在は、脅威以外の何者でもない。

 『遺産』はガトランティス以上に忌むべき、『かの存在』が造ったものだ。
 『遺産』は目覚めている。だが”真に目覚めている”訳では無い。

 『大いなる和』が中心となり、ガトランティスと『遺産』による進撃を阻止することは『シナリオ通り』とはいえ、必ずしも”その通り”になることなど絶対にない。

 ”保険”はどんな時でも必要なのだから…。 
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