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備えなければならない【未完】

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備えなければならない

 きっかけは何だっかは定かでは無い。ただただ物心がついた頃には、私はやり遂げなければならない夢がある。

 人の夢というのは人によって違う。
 医学で人を助けることだったり。軍に入り、祖国を守ることだったり。国をより良くする為に政治の道に入ることだっだりと、沢山ある。

 だが私が目指す夢とは皆と共通すらしないことだろう。それどころか未来を危惧している私はずっと考えてきたことがあった。それはゾンビだ。「ゾンビは映画や二次創作物のみに登場!」では無く、いつかは何者か、あるいは企業がゾンビウイルスを使って、増え続ける人口を強制的に減らして理想郷を創らんとする為に、コレまでの営み”日常”に解き放なたれる可能性をボクは本気で信じている。

 間違い無く実在する筈だ。ゾンビウイルスという厄災が解き放たれたら、どうなる?何故、皆は終末が訪れる事などあり得ないと本気で思っている?。間違い無く、いずれはゾンビによる世界終焉シナリオ『バイオハザード』は訪れる。

 きっとコレを聞いたら大人は私をバカにするだろうね。子供すら「バカぁ?」と私に言い放つだろう。…勿論、信じて貰えることは無かった。

 だが私のそれは一時の熱病では決してなく、もっと深い心の底で燃え続け、いつまでも消えることなく私を突き動かした。 備えなければならない。いつか来るその日の為に…。

 私は同じ志を持ち、かつ転生者と自称する彼女、『ステラ』と共に日本に本社を置いた製薬会社「アンブレラ」を設立した。表向きは薬品開発部門を持つ国際的ガリバー企業として。社名は「傘で人類を庇護する」から由来するもの。社訓は「人々の健康を庇護する」。社章も社名に因んだ「赤と白の傘」。

 設立する前、問題が発生していた社員問題については彼女から「任せて欲しい」となんとも心強い言葉を貰った後日、社員を連れてきた時はド肝を抜かされた。…それは人間では無く映画とかでよく見る人間の骨格を模したロボットだった。彼女曰く「ロマン」などと抜かした言葉をドヤ顔していた時は腹パンしてやった。

 しかし、ロボットはどうやって造ったんだ?と疑問に思った私にステラはこう答えた。「転生特典で(キリッ)」

 …頭が痛くなったな。

 とはいえ、社員を雇用しようにも当初は金銭的なアレがあったし、何よりも守銭奴でうるさく躊躇いがあった私はどうしても社員募集など出来なかった。

 社員問題はロボットに人の皮を被ることで解決した。人間の骨格を模している為か人間に見えるから、違和感は無かったけど……何故か麗しい女性のみ。何故?と聞いた際、ステラは「やっぱ華が無いとな。は・な・が♪」っと。

 …不思議とムカついたしまった為かうっかり殴ってしまったが、「殴ったなッ?彼女にも殴られたことなんてなかったのに?!」ってうるさかったな。…ステラ、転生者って自称していたけど本当に転生者だと思えてきたな。ほんのちょっぴとだが。

 こうして表向きは製薬企業と装うことで裏での兵器開発や”抗ウイルス”等の研究、開発を容易に可能となった。これを大きな資金源として企業活動を続け、巨大多国籍企業に発展。政界にも太いパイプを持ち、法規などの改正、他社や政財界への二重スパイ活動なども手掛ける。また、独自に準軍事組織の武装戦闘部隊などを保有をし、有事の際には即座に対応する手筈となる。

 私とステラは主に日本中心で活動する為、拠点として日本内に地下支部と地下本部を設け、同時に地下軍事工場と自給自足が出来る施設も設けた。アウトブレイク後も戦力維持できるよう航空燃料や予備パーツ、ミサイルや弾薬、整備道具が保管。施設外観は全体的に王冠に似たデザインである。ステラからの希望により、アンブレラ社所有のとある洋館の下には地下秘密研究所『ハイブ』を一つ建設した。

 日本政府より某無人島を買い取り、航空基地を建設し、辺り一帯を立ち入り禁止区域とした。公にはカバーストーリーとして「食糧問題を解消する為の次世代食料品の研究」を全国に配布した。航空基地は島の外からは肉眼では到底見えない山の中を掘って、建設した。各国衛星にも細工している為、アンブレラ社保有の衛星以外で御目に掛かるのは不可能だろう。

 自らの分身とも言える自律する少数のクローン達を創りあげた。オリジナルである私とステラは自分自身を機械化。

 脳と心臓を持つ人間ベースもので、アンブレラ社員(人型ロボット)と材質は同じだが、形状は人間の骨格を模している。体表を覆う生体細胞は人間だった頃の私達と外観は同じで、内部骨格こそ複雑極まりない金属細工と機械部品に占められているが、表面には培養した有機細胞を纏っている。

 負傷すると血を流すのも同じだが再生能力は強化されており、小さな傷なら短時間で完治。ただデメリットがあるのが心臓も強化されているが人間と同様に急所で、心停止になると機能を停止するけど、現代社会で私達のみが実現出来ている時点で取り敢えずは良しとしよう。

 そして今や莫大になった利益と資産を管理する為、私『ゼノビア』博士は強力な人工知能を創った。幼い少女の姿をし、アンブレラ社のロゴが入った大きなネックレスを首から掛けたホログロム投影された彼女へ、私は名前を授けた。

 ーー『レッドクイーン』っと。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 〜〜そして遂に〜〜

 『速報です。現在、を中心に全国各地で原因不明の感染症を確認されました。…感染者は理性を失い暴力的な行動を取っています。専門家の話によりますと企業で開発されたウイルスが漏洩したと述べておりーーー』

 「ゼノビア、ゼノビア?この世界ってバイオハザードの世界なのかな?」

 …自分で言うのもおかしな話だが本当に起きたな。まぁ、研究所であるハイブからウイルスが漏れた訳ではあるまいし。…ん?そういえばハイブに何者か侵入されたとレッドクイーンから知らされたな。しかし、侵入されることなどあり得ないが。……ウイルス漏洩?

 「ねぇねぇ?無視って酷くないかい?」 
 

 
後書き
(登場人物:ステラ)
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人物説明:ステラ
世界に終末を訪れることを信じて疑わず、同じ志を持つ彼女と共に「アンブレラ社」を設立した。役職は副会長兼会長補佐。表から裏まで、あらゆる場所に”根”を張ったつもりだったが事前に防ぐことは出来ず、ウイルスは全国各地に解き放たれた。まぁ当の本人も、本当に”バイオハザード”が発生するとは思わなかったようだが…。髪色はピンクで首元が隠れる位に伸ばされた髪型をしている。瞳も髪と同じピンク。視力は良い方だが「カッコよく見せたい」が為にメガネを掛けている。性別は女性。


(登場人物:ゼノビア)
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人物説明:ゼノビア
ステラと同様、世界の終末を訪れることを信じて疑わない人物で自称転生者。アンブレラ社創設者の一人である。役職は副会長兼会長補佐。共同オーナであるステラにとって腹心であり唯一の理解者である人物。髪色は純白で首元が隠れる位に伸ばされた髪型をしている。瞳はオッドアイで片方はゴールドで片方は白。性別は女性。 
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