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彼は いつから私の彼氏?

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第2章
  2-1

 夏休みも残り少なくなってきたけど、私は宿題は全部終わっていた。だけど、翔琉君は自由研究がまだなんだと言っていたけど、時々、彼ンチに遊びに行っていた。実は、福井から帰って来て直ぐに、私 女のものが始まっていたのだ。家に居た時なのだけど、お母さんも居なくて、私一人だったのだけど、保健の時間でも教えられていた通りに済ませていた。

 うっとおしいなぁー こんなこと これから月に一度はやんなきゃーなんないのかぁー。女って 損。胸の大きさだって気にしなきゃーなんないしさー・・・。あれから、翔琉君とは触れ合うことも無かったけど・・・そのことも、気にしなきゃぁなんないしさー・・・。翔琉なんか気楽に考えているんだろうけど、女の子にとっては 一大決心なんだからぁー。それに、これから胸ももっと大きくなってくるし、下のほうも毛が生えだすだろうし・・・あんなものは要らないよねー 女の人のブロンズ像だって ミロのビーナスだって、ギリギリ見えないけど あれは表現して無いじゃぁない だから、きっと 作者も ビジュアルからすると邪魔なものなのよー きっと 私 今のままの身体のほうがきれいに決まっている。

 仕事から帰ってきたお母さんに報告すると

「あっ そう ちゃんと始末出来たの?」

「うん 備えていたし 学校でも教わっていたからー」

「良かったわ これで 水澄も ガールからレディね これからは自覚しておきなさいね」

「うー う 自覚って?」

「だからー もうあなたは 赤ちゃんも生める身体なの 無防備に・・・その・・・男の子と性行為なんかしちゃぁ駄目なのよ 女の子は心配よー」

「うっ そんなー わかった」

 生理が終わって、翔琉君ンチに遊びに行って、幾らか涼しくなってきたので、彼の部屋に上がり込んだ。彼は机に向かって、細い棒を幾つも並べて接着剤でくっつけていた。

「何してるん? あっ これっ 爪楊枝」

「あぁ これで 大阪城を組み立てようと思ってな」

「ふ~ん 何年かかるん? そんなんより 自由研究したん?」

 彼は私に1枚の用紙を渡してきた。

「女の子の胸の柔らかさは何と似ているか・・・あんぱん 柔らかさはあるが弾力が無い ゴムマリ 弾力があるが優しさに欠ける ゴム風船・・・翔琉! あん時 こんなこと考えとったん? 私のはあんぱん かぁ!」

「いゃ ちがう・・・それは・・・あとからー」

「どっちでもなぁー こんなん 河道屋先生見たら ビンタされるか 相手にされんよーなるでー」

「やっぱり そーかー じゃぁ こっち」と、もう1枚出してきて

「お母さんは何と言った時に一番 喜ぶか」見ると、グラフなんかも書いてあった。

「このおかずおいしいよ 80点 お風呂掃除するよ 70点 お皿洗うよ 75点 庭に水撒いたよ 50点 勉強するね 60点 お母さん好きだよ 70点 お母さんきれいだよね 90点 買い物行ってこようか 40点 腹減った 30点・・・考察 ウチのお母さんは自分のこととか料理を褒められたりするととても歓びます。それとか家事を手伝うとポイントが高い。同じ家事でも大した労働でないものはそんなに高く無い。勉強しようと言っているのにポイントがそんなに高くないのはショックだった。・・・ん まぁ 視点がおもしろいんじゃぁない? 点数化してグラフを付けているのもいいわー でも、研究と言えるかどうかー」

「そうか じゃぁ 項目をもっと増やして これにすっかー 水澄のお墨付きだもんなー」

「なんも べつにー 好きにすれば ええやんかー」

 でも、彼は新学期が始まった時 築城中の大阪城という名前で 爪楊枝をくっつけたのを張り合わせてお城の途中まで作ったものを提出していたのだ。それに、いかにも築城中らしく、画用紙を切り取って人夫らしき人も置いていた。私は からかわれていたのか あんなもん見せられてー。くそぉー あいつぅー・・・。

 当然 白浜美蕾がそれを見て、キャーキャーと翔琉君に歯の浮くような言葉で褒めていたのだ。私に対抗しているに決まっている。(もう ダメよ! 翔琉は みずみ のもんなのだからー) 
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