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同じ仏教でも宗派が違う

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第二章

「僕はあの大学でね」
「お坊さんの資格を取って」
「お寺を継ぐよ」
「そうするのね」
「幾らレベルが高くても」
 そうした大学でもというのだ。
「入ることが出来てもね」
「宗派が違うなら」
「入ってお坊さんの資格を取ってもね」
「お寺を継げないのね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「そうなるんだよ」
「そこは難しいわね」
「仏教といっても」
 一口にというのだ。
「それでもね」
「色々な宗派があって」
「そしてだよ」
「お寺を継ぐなら」
「その宗派の大学に行って」
 そうしてというのだ。
「資格を取らないといけないんだ」
「難しいわね、そこは」
「宗派ってあるからね」
「宗教には」
「キリスト教だってそうだね」
「ああ、そうね」
 鈴蘭も言われて頷いた。
「カトリックとプロテスタントで」
「正教もあるね」
「そうよね」
「それで神父さんかカトリックで」
 こちらの宗派でというのだ。
「牧師さんはプロテスタントだよ」
「実は違うわね」
「それで仏教もだよ」
「そうなるのね」
「それで僕はあの大学に行くから」
「それで将来はあのお寺を継ぐのね」
「養子に入ってね」
 そのうえでというのだ。
「そうなるから」
「わかったわ、じゃああの大学でね」
「頑張るよ」
「そうしてね、私もね」
 鈴蘭は自分のことも話した。
「お婿さん迎えてね」
「お家継ぐね」
「それでやってくけれど」
「まあそっちは宗派のことはね」
「そんなによね」
「気にしなくていいから」
 特にというのだ。
「日本じゃ基本結婚の時は」
「宗教のことは関係ないわね」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「気にしないで」
「お婿さんを迎えて」
「そうしてだよ」
 妹にさらに言った。
「幸せになってね」
「それではね。けれどうちは古い家で」
 ここで鈴蘭はこうしたことを言った。
「土地も持っていて」
「跡を継ぐとかね」
「そうしたお話もあるね」
「小さいけれど会社やってるし」
「そうね、けれどそれでも」
「鈴蘭は宗派のことは気にしないで」
 自分と違ってというのだ。
「結婚したらいいよ」
「いい人と」
「そう、僕はお坊さんになるから関係あるけれど」
「私はあるから」
「いい人と結婚して」
 そうしてというのだ。
「幸せになってね」
「そうなるわ」
 鈴蘭は兄ににこりと笑って応えた、そうしてだった。
 兄は僧侶になり妹はいい人と結婚した、そうしてからも仲良くしていった。妹婿の宗派は違っていたがそんなことは関係なかった。


同じ仏教でも宗派が違う   完


                    2024・9・20 
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