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ボーイズ・バンド・スクリーム

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第2話 激情の告白

 
前書き
皆さん、こんばんは!鮪です!今回は晩飯会?です!それでは本編のほうをどうぞ! 

 
ライブ終了後、新川崎(仮)メンバー3人と瑞貴はラゾーナ川崎プラザ1階にあるドトールで軽い夕食を取ることにした。

「で、どうしたんだよ?こんなところで」

全員の注文が揃ったところで話を切り出す桃香。瑞貴は高校卒業後に東京の大学に通っていること、川崎には息抜きで来ており、偶然ライブしている桃香たちを見かけて声をかけたことを伝える。

「はい!まずは自己紹介しませんか?私は安和すばる、17歳!ピチピチの高校生です!」

「自分で言うな、自分で!」

元気よく挨拶したのは黒髪清楚な美少女。ドラムを担当しているという。

「ははっ。もしかして安和天童のお孫さんか?俺は白石瑞貴。河原木とは同じ高校の同級生だった」

「ええっ?!お祖母様を知ってるんですか?!」

「じいちゃんが知り合いでな」

「お前のお祖父さん、白石大介だよな。紅白常連の」

「えっ、嘘っ!?ほんとに?」

「うん。去年、引退したけど。今は土いじりに夢中だな」

白石大介。歌番組は引っ張りだこ。紅白歌合戦には30年以上、出演している日本の顔とも言えるアーティストだ。ドラマのテーマ曲から最近はアイドルグループの楽曲まで幅広く手掛けていた。去年の春、多くの音楽関係者に惜しまれながら業界から引退し、現在は地元の旭川に戻っている。

「そっか。てか、安和天童って女優の?すばるって芸能人一家だったのか?」

「ってほどでもないけどね。お父さんもお母さんも普通の会社員だし」

「…お二人はどういう関係なんですか?」

「おい仁菜!ちゃんと挨拶しろ!」

「だって…」

仁奈と桃香に言われた少女。まだあどけなさの残る顔立ちに、おさげ髪。ライブで見せた激しい歌声とは真逆の大人しい雰囲気だが、意思に満ちた瞳が印象的だ。瑞貴のほうを見ず俯きがちに座っていることから人見知りなのかもしれない。簡単に他人を信用しないぞ、といった感じの目をしている。

「ダイヤモンドダストのファンだったんだよ。河原木がボーカルしてた時の、な。今のダイヤモンドダストは好きじゃない」

「そうなんですか…」

「お前は俺の初恋だった」

「なっ?!」

「ひゅ〜っ」

仁菜は猜疑心が強そうだ。簡単には信用してもらえない。そう思った瑞貴は桃香のほうをしっかり見、自身の気持ちを打ち明ける。桃香は突然の告白に赤面し、すばるはからかいの口笛を吹く。

「ねえねえ、お二人は付き合ってたんですか〜?」

「ばっ!」

「か、河原木にとって俺はただのクラスメイトだ。勘違いすんじゃねぇ…俺の片想い。打ち明けたこともねぇよ」

「あっ、でもでも!桃香さんって男の人と同棲してるもんね〜!」

「かっ!」

「…そうだよな。そりゃ、彼氏ぐらいいるだろうさ」

瑞貴はあっけらかんと言う、すばるの言葉に少なからず胸が痛んだ。桃香が短い悲鳴のような声を上げているが気にもならない。

「ちょっ、ちょっと待て!白石、誤解だ誤解!ルームシェアだよ!しかもそいつの恋愛対象は男だし、生活時間も全然違うから顔を合わせることもほとんどないし!」

「あははっ!桃香さん必死すぎ〜」

(あれ?なんで私、誤解してほしくないんだろ…)

狼狽しながら必死に弁解する桃香に瑞貴は嘘を感じなかった。それどころか愛しいという想いが湧き上がってくる。

「都市部で一人暮らしって金かかるもんな。俺も友達とルームシェアしてるよ」

「そっ、そうなんだよ〜」

瑞貴は桃華に理解を示す。目を少し細め、柔和な表情で彼女に笑いかけながら。桃華は彼の誤解が解けたことに安堵の溜め息をついた。

「へえ〜?そんな顔もするんだ?白石さんって本当に桃香さんのことが好きなんだねっ!」

「うん、大好きだ。会えて嬉しいよ」

「白石それ以上、告るな!恥ずかしいだろっ?!」

慌てふためく桃香に、してやったりの顔をするすばる。仁菜は口出しするタイミングを伺っているようだが、瑞貴が桃香の話をする前より疑心は減ったようだ。

「白石さん!井芹仁菜です、えっと…ボーカルやってます。桃香さん好きに悪い人はいません。よろしくお願いします!」

「仁菜…お前…」

俯きがちだった視線をしっかりと瑞貴の顔に向け、しっかりと自己紹介をする仁菜。その瞳には同志に向ける輝きが宿っていた。 
 

 
後書き
仁奈が少し人見知りが強い感じかもしれませんが、この時はまだ父親との関係性も改善していません。知らない男性にこれぐらい警戒心を抱いてもおかしくないかと思いました。それでは、また次回で! 
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