間違えて入れたラブレター
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第一章
間違えて入れたラブレター
井岡太陽は同じクラスの工藤すみれが好きだ、彼は細面で明るい顔立ちで茶色にした髪の毛をセットしている。すらりとした長身である。
すみれははっきりとた大きな切れ長の二重の目で黒く長い髪の毛で赤い大きな唇と黒い細長い眉を持っている。背は一六〇位でかなりの巨乳だ。
その彼女の下駄箱にラブレターを入れてだった。
そこに書いた時間に体育館裏で待った、だが。
そこに来たのは同じクラスの畑中里佳子だった、黒髪をおかっぱにしていて眼鏡をかけている。丸く小さな顔で眼鏡の奥の目は切れ長で唇は小さく小柄である。
その彼女を見てだ、井岡は驚いて言った。
「えっ、畑中!?」
「そうよ」
里佳子は憮然として答えた。
「私よ」
「何でお前が来たんだよ」
「何でって私の下駄箱によ」
里佳子は憮然としたままさらに答えた。
「あんたのラブレターが入ってたのよ」
「えっ、そうなのか」
「あんた間違えたでしょ」
「畑中のところと工藤さんのところを」
「あの娘の下駄箱私の隣だしね」
「そうだったな」
「そうよ、緊張して間違えたんでしょ」
こう言うのだった。
「どうせね」
「そうだったのか、しかし」
ここで井岡ははっとして言った。
「ってことは」
「ええ、ラブレターね」
「お前読んだのか」
「最初の一文だけね」
「全部は読んでないのか」
「はい、これ」
そのラブレターを彼に差し出して言った。
「工藤すみれさんっていうね」
「最初の一文か」
「そこだけ読んだから、ちなみにね」
「ちなみに?」
「あんたがここにいるとは思わなかったわ」
「そうだったんだな」
「誰が書いたかって思っていたけれど」
それでもというのだ。
「あんただったのよ」
「俺かまだはわからなかったんだ」
「ええ、あんた工藤さん好きなのね」
「そうだよ」
「そのことも知らなかったわ」
「誰にも言うなよ」
「言わないわよ、人の恋路に何も言わないわよ」
こう井岡に返した。
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