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八条学園騒動記

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第七百六十四話 悪より嫌なものその七

「言うだけで」
「受け入れないですね」
「そうです、本を読んでも」
「学ばないのですね」
「やはり批評、批判するだけで」
「そこにあるものを受け入れない」
「はい、この世にあるもの全てをです」
 それこそというのだ。
「受け入れないです、あら捜しをして」
「駄目出しをするだけですね」
「そして自分が偉いとです」
 その様にというのだ。
「言うだけです」
「そうなのですね」
「ですから信仰もです」
「持てないですね」
「私も思います」 
 セーラは一呼吸置いた、そうして庭に咲いていて自分達の前にある深紅の薔薇達を観つつそうして二人に話した。
「この薔薇達も素直にです」
「美しいとですね」
「そう思うことですね」
「それが大事だよ」
「この薔薇達を観ても」
「そうしても」
「批判しようと思えば」
 美しい薔薇達もというのだ。
「棘がある、花弁がしおれているなぞと7」
「言えますね」
「どうとでも」
「批評、批判なぞしようと思えば」
 そうしようと思えばというのだ。
「幾らでも出来ます」
「あら捜しですね」
「それは出来ますね」
「はい、それこそです」
 セーラはまた言った。
「幾らでもです」
「出来ますね」
「そうですね」
「はい、そして」
 そのうえでというのだ。
「否定してばかりで受け入れないので」
「何も得ない」
「そうですね」
「何も得ないのでは」
「ゼロですね」
「そのままですね」
「批判精神といいますが」 
 第二次世界大戦後の日本で言われた言葉だ、体制順応ではなく体制即ち権力に逆らい批判することが大事だというのだ。
「それ以上にです」
「受け入れる」
「それが大事ですね」
「そうです、餓鬼になった人はです」
「受け入れなかった」
「批判してばかりで」
「自分が偉いと勘違いし」
 そうしてというのだ。
「その結果です」
「批判ばかりで、ですね」
「批判して偉いと思っていて」
「それで何も得ず」
「餓鬼になったのですね」
「どんな本も受け入れないとです」
 読んでもというのだ。
「批判ばかりではです」
「得られるものはない」
「そうですね」
「はい、それで」
 そうなっていてというのだ。
「信仰もです」
「得られなかったのですね」
「批判する人は読んでもです」
 ベッキーに話した。
「一度だけで熟読もです」
「行わず」
「じっくりとです」
 その様にはというのだ。 
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