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おぢばにおかえり

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第八十二話 三人でのひのきしんその二十二

「露骨に態度とお顔にも出て」
「お話もしないね」
「意地悪もして」
 主任先生にもお話しました。
「わかりやすいです」
「他でもわかりやすい子だね」
「そうですね」
 言われてみればです。
「もう表情にすぐ出て」
「ああした子は嘘吐いてもね」
「お顔に出てですね」
「わかるよ」
「そうした意味で嘘を吐けない子ですね」
「そうだよ、裏表がないんだよ」
 新一君はそうした子だというのです。
「そのこともわかってね」
「そうしてですか」
「色々仕込んでいくといいよ」
「新一君については」
「そうだよ、根っこはいい子だよ」
「確かにそんな感じですね」
 これまた言われてみるとです。
「裏表がないところといい」
「何もない人の悪口は言わないね」
「物凄く褒めますね」
 何があっても悪口を言わない感じです。
「好きな人は尚更」
「そうだね」
「はい、それで親切です」
 機雷でない人にはです。
「何かとです」
「優しくするよね」
「そうです」
 まさにです。
「ひのきしんだっていさんで、ですし」
「そう、根っこはね」
「いい子なんですね」
「誤解されやすいみたいだけれどね」
「好き嫌いが激し過ぎますから」
 もうそれに尽きます。
「だからですね」
「けれどね」
「根っこはですね」
「いい子だから」
「お仕込みを続けたら」
「そうしたらね」
 私に優しい笑顔でお話してくれました。 
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