金木犀の許嫁
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第三十話 夢で会ってその六
「八条学園なんてね」
「妖怪のお話があちこちにありますし」
「幽霊だってそうで」
「七不思議どころじゃないですね」
「百は優にね」
それだけはというのだ。
「妖怪のお話があるから」
「見たって人も多いですね」
「もうね」
それこそというのだ。
「普通にね」
「妖怪はいますね」
「だから狐や狸も」
こうした生きもの達もというのだ。
「長生きしたらね」
「化けますね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「あの戦争にも参加したのよ」
「そうですね」
「このお話は本当だと思うわ、白い軍服の兵隊さんもね」
「本当のお話ですね」
「坂本龍馬さんのお話もね」
「全部ですね」
「三笠もね」
この戦艦もというのだ。
「そうしたお話あるし」
「東郷平八郎さんが乗っていた」
「連合艦隊の旗艦ね、その日露戦争に出る時に」
「出港の時ですか」
「その時にね」
まさにその時にというのだ。
「艦橋に鳥が止まったけれどその鳥がね」
「特別な鳥でしたか」
「そうだったみたいだし」
「そのことも不思議なんですね」
「もうあの戦争はね」
「そうしたお話が多いんですね」
「不思議なお話がね」
そう言っていいものがというのだ。
「本当に多いの」
「そうですか」
「それだけ危うい戦争で」
「勝たないとですね」
「駄目だったのよ」
「そうだったんですね」
「そして何とかね」
そう言っていい状況でというのだ。
「日本もね」
「勝ちましたね」
「そうしてね」
それでというのだ。
「日本は今もね」
「ありますね」
「そうよ、それで伊藤さんもね」
「あの戦争ではですね」
「かなり危機感を以て」
そのうえでというのだ。
「あたっていたのよ」
「政府のトップとして」
「それで漢詩もね」
これもというのだ。
「残してるのよ」
「伊藤さんは詩人でもあったのですね」
「ええ、実はね」
「そうでしたか」
「それで漢詩もね」
これもというのだ。
「詠めたのよ」
「意外ですね」
「教養もあったのよ」
ただ政治家として優れ面白い人物だっただけでなくというのだ。
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