八条学園騒動記
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第七百六十二話 餓鬼とはその三
「誰もです」
「嫌うわね」
「人と餓鬼は違います」
「そうよね」
エイミーも言い切った。
「絶対に」
「人には品性と美点があります」
「色々問題があっても」
「ですが」
それでもというのだ。
「餓鬼はその美点がです」
「全くないわね」
「そして品性もです」
「ないわね」
「だからこそです」
品性がないからだというのだ。
「人に家にお邪魔しますも言わず上がり込んで」
「それもふんぞり返って」
「そしてです」
「大飯食べるのね」
「遠慮がないと言えますが」
この場合はというのだ。
「品性もです」
「ないのね」
「というかな」
テンボはどうかという顔で述べた。
「よくそんな人家に入れるな」
「あたしだったら絶対に嫌よ」
ジャッキーは顔を顰めさせて言った。
「そんな人お家に入れるなんて」
「俺もだ」
テンボも完全に同意した。
「本当にな」
「そうよね」
「しかも勝手に人の部屋に入ってな」
「本漁るっていうし」
「俺だったらその現場見たらな」
その時はというと。
「その時点で怒るな」
「あたしもよ」
「それで二度と来るなって言うな」
「家族なら兎も角」
「親戚でもな」
「人の部屋に勝手に入るなよ」
「そしてな」
テンボはさらに言った。
「人のもの勝手に漁るな」
「その通りよ」
「そんなことやってたらそのうちな」
テンボは怒った顔で話を続けた。
「家に居座ってな」
「只飯食べまくってね」
「家で好き放題するぞ」
「しかも働かないでね」
「お金も入れないでな」
「それで偉そうにするわよ」
「そうなることが目に見えてるしな」
人は安きに流れる弱さを持っていることもまた一面だ、それが為に図々しさもエスカレートする場合があるのだ。
「だからな」
「その時点で追い出さないとね」
「本を漁らなくてもっと言えば部屋に勝手に入らなくてもな」
そうでなくともというのだ。
「聞いてるとその前の時点でかなり図々しいしな」
「よく家に入れてるわね」
「親戚でもな」
「相当親御さんが甘やかしてるわね」
「そこまでしても何も言わないなんてな」
「そうよね」
「というかな」
テンボは怒った顔のままさらに言った。
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