マクーニャのチチャ
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第二章
「神官さん達の服も」
「皆ズボンやタイツも履いてるな」
ハンデロも言った。
「靴だってな」
「インカ帝国の服にな」
「今が入っているな」
「確かに信仰は復活しましたが」
それでもとだ、二人に若い白人の神官が言ってきた。
「やはり現代の文明もです」
「入りますね」
「どうしても」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「我々の服もです」
「現代が入っていますね」
「そうなんですね」
「何よりもインカだけでなくアステカやマヤもですが」
即ち中南米の神々への信仰ではというのだ。
「生贄が有名ですね」
「あっ、そうですね」
ハンデロが応えた。
「それは」
「もう何といいますか」
「代名詞みたいなものですね」
「ですが」
それがというのだ。
「現代ではです」
「しませんよね」
「生贄が無意味であることはもうわかっています」
既にというのだ。
「そうですし何よりも法律的に」
「アウトですよね」
「殺人になります」
言うまでもなく最も重い犯罪の一つである。
「ですから」
「それで、ですね」
「生贄は捧げず」
神に対してというのだ。
「肉や魚をです」
「神様に捧げますか」
「そうしています」
その様に変わったというのだ。
「今は」
「そうですか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「現代のものはです」
「ありますね」
「それも強く」
こう言うのだった。
「そうなっています、服や像に」
「生贄に」
「何かと変わっています」
古代とはというのだ。
「そこはご了承下さい」
「わかりました」
「そういうことですね」
マカーニャもハンデロもそれならと頷いた、彼等はそれで納得した。そのうえで現代のアレンジも入ったインカの信仰や文化を観て体験して楽しんだが。
その中で酒も飲むことになった、それは古代インカの製法により造られたという玉蜀黍の酒であるチチャだったが。
そのチチャを前にしてだ、マカーニャは言った。
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