サンダーボーイズ
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第二章
「初等部の第一校舎の屋上で歌って踊る」
「普段も夜学園の中を賑やかに歩き回る」
「雷を身体の周りに撒き散らすね」
「男の子達ね」
「精霊っていうかも知れないけれど」
それでもというのだ。
「まあね」
「妖怪ってなってたわね」
「広い範囲で言ってね」
「妖怪と精霊、妖精の区分ってね」
「結構曖昧で」
学問的に言うとその様でというのだ。
「それでね」
「アメリカの精霊も」
「妖怪に入っていて」
その区分にというのだ。
「八条学園世界中から人集まるし」
「当然アメリカ人もいるし」
「人についていってね」
そうしてというのだ。
「妖怪もね」
「学園に入って」
「居心地いいみたいで」
妖怪と言われる存在にとってというのだ。
「それでね」
「世界中の大勢の妖怪がいて」
「暮していてね」
「サンダーボーイズもいたわね」
「その妖怪さん達とね」
怜奈はわりかし真面目な顔で話した。
「同じ名前ね」
「そうね」
麻衣もわりかし真面目な顔で頷いた。
「言われてみれば」
「そうよね」
「面白いわね」
「偶然にしても」
そんな話をした、そうしてだった。
彼等のライブを観た、見れば全員白人で髪の毛や目の色は様々だ。顔立ちは整っていて長身でスタイルもいい。
だがふとだった、怜奈は彼等の姿を見て言った。
「何かね」
「あれっ、ちょっとね」
「周りに光漂うけれど」
「演出みたいにね」
「あの光って」
それはというと。
「稲光りよね」
「そうよね」
「如何にもって感じで」
「何か演出で」
麻衣は今日のライブのサンダーボーイズの欄を読みつつ話した。
「このバンドいつもね」
「ああしてなのね」
「光を出すって」
その様にというのだ。
「書いてあるけれど」
「違うみたいね」
「皆気付いていないけれど」
「私達はね」
怜奈は冷静な顔と声で話した。
「サンダーボーイズっていうとね」
「妖怪ってね」
「知ってるから」
「連想するわね」
「ええ、けれどね」
それでもというのだ。
「普通の人達はね」
「あれっ、って思わないわね」
「しかもあの子達皆ルーツはアメリカよね」
「それでも日本に生まれてね」
「日本に育ってるのよね」
「神戸でね」
「神戸っていうと」
怜奈はまさにと言った。
「私達の学校がある場所じゃない」
「八条学園が」
「海外からの人が多くて有名だけれど」
神戸はというのだ。
「八条学園もあって」
「それでね」
「八条学園は世界一の妖怪スポットで」
「サンダーボーイズもいるから」
「もうね」
これはというのだ。
「ほぼね」
「間違いないわね」
「そうよね」
「いや、これは」
怜奈はさらに言った。
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