八条学園騒動記
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第七百六十一話 大国とはその三
「本を書いたりブログやユーチューブで発言もしまして」
「誰の何の役に立たないことを言って」
「生計を立てています」
「下らない人生ね」
「下らない人生はそうはありません」
セーラは確かな声で言い切った。
「ですが」
「あの人の人生は下らないわね」
「一生まともに働かず自分を磨かず勝手に思い上がった人生もありますが」
「それも下らないわね」
「そしてそうした人生もです」
こちらもいうのだ。
「下らないです、コナン=ドイルは今から見ると間違った知識を用いてしまいましたが」
「科学を持て推理を書いたわね」
「そして確立しました」
推理というジャンルをというのだ。
「また科学の進歩もです」
「信じていたわね」
「間違ってもです」
それこそというのだ。
「当時の科学で未来の科学を否定する」
「そんなことしなかったわね」
「そうでした」
「そうよね、というか柳田何とかって人は」
「無駄な人生を送っています」
「無駄なものを書いて言って」
そうしてというのだ。
「それでよね」
「誰の役にも立たず」
「世の中に貢献もしない」
「そしてこれ以上ないまでに下らない」
「そんなものを言って書いて」
「生きています、犯罪はしていませんが」
それでもというのだ。
「その人生の価値はです」
「ないわね」
「文字通り無価値です」
そうしたものだというのだ。
「無駄です。才能はあっても」
「下らないものを書く才能か」
ダンは眉を顰めさせて言った。
「それか」
「左様です」
セーラもその通りだと答えた。
「まさに」
「そんな才能もあるか」
「しかも天才です」
セーラはさらに言った、天才と言ってもそこに肯定するものはなかった。むしろ全否定がはっきりと出ていた。
「下らないものを書く」
「そんな天才か」
「色々な才能がありますが」
「人間にはな」
「中にはです」
「そんな才能もあるか」
「嘘を吐く才能、拷問を考える才能に」
「どちらも不要な才能だな」
「そしてです」
さらにというのだ。
「下らないものを書く才能もです」
「人にはあってか」
「あの人はです」
「その天才か」
「そうなのです」
「不要な才能だな」
「才能を発揮出来ることは素晴らしいことです」
セーラはこのこと自体は肯定した。
「ですが」
「そうした才能はか」
「発揮してもです」
「意味がないな」
「害にしかなりません」
そうだというのだ。
「最早」
「そうだな」
「若し発揮すれば」
「ああなるか」
「無駄、無価値なことをして生きる」
「最悪の人生だな」
「あの、科学を言うなら」
エイミーは眉を曇らせて言った。
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