| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

危ないから家にいろ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

 娘と共に夕食を食べすぐにその男のことを警察に不審者として通報した、それから暫くしてだった。
「志保里の言った通りの外見の奴が捕まったな」
「ええ、それも殺人未遂でね」
「小さな女の子を攫って首を絞めようとしてたか」
「誘拐と殺人未遂ね」
「何か周りで物凄く人が死んでるらしいな」
「九人位、女の人ばかりね」
「窃盗の常習犯で」
 そうであってというのだ。
「殺人容疑で捕まったこともあるそうだな」
「その時は無罪になったけれど」
「ああ、何か今殺人の話も出ているしな」
「とんでもない人ね」
「実際にな」
 夫は妻に言った。
「不審者がいたな」
「それも凶悪犯が」
「志保里を家に出さないでよかったな」
「そうね、本当に」
「用心に越したことはない」
「そんな人もいるから」
「ああ、しかしな」
 それでもというのだった。
「用心であと少しな」
「志保里はお外に出さない様にしましょう」
「別の不審者がいるかも知れないしな」
「捕まった人とは別にね」
「だからな」
「まだ用心しましょう」
 夫婦でこう話してだった。
 まあ暫く娘を外に出さず幼稚園への送迎を徹底した、その結果娘には何もなかった。そして両親は二度と家の近所にそんな輩が出て欲しくないと思ったのだった。自分達の娘の安全を心から願うからこそ。


危ないから家にいろ   完


                  2024・7・20 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧