金木犀の許嫁
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第二十四話 たこ焼きその十一
「お酒が進むから」
「寮でもよく出るのね」
「外国人の寮でもね」
「それでよく飲むのね」
「その時は日本酒よね」
オーストラリアの娘はこうも言った。
「するめの時は」
「ああ、日本酒好きなのね」
「かなりね、ビールも好きだけれど」
それと共にというのだ。
「日本酒も好きでね」
「日本酒もいいわよね」
「飲み過ぎたら糖尿病になるっていうけれど」
それでもというのだ。
「あちらのお酒もね」
「好きなのね」
「ええ、また今度するめがあったら」
寮のつまみにというのだ。
「それを食べてね」
「日本酒を飲むのね」
「そうするわ」
「じゃあ私も今夜は」
こう言ってだった。
夜空は家に帰るとその夜日本酒を出した、そして許嫁である佐京にコップを出してから言ったのだった。
「おつまみするめ買ったから」
「するめをおつまみにして」
「日本酒飲まない?」
「いいね」
微笑んでだ、佐京は夜空に頷いて応えた。
「それじゃあ」
「今日はそれで飲みましょう、実は今日クラスで友達と蛸のお話をして」
「それでなんだ」
「烏賊のお話にもなって」
このことをありのまま話した。
「それでなの」
「今夜はするめなんだ」
「それで日本酒なの」
「するめだと日本酒だけ」
「そうよね、ただね」
「ただ?」
「するめ以外にもあるから」
つまみはというのだ。
「他は梅干しとかもね」
「そういうのも日本酒に合うよね」
「そうよね、何だったら」
飲む用意を整えつつだ、夜空はさらに話した。
「お味噌やお塩だけでもね」
「おつまみになるよね」
「日本酒はそうよね」
「手軽に飲めるよね」
「上杉謙信さんがそうだったのよね」
戦国大名として有名なこの人物がというのだ。
「無類の酒好きで」
「おつまみはそうしたものだったね」
「毎日夜になったら」
「縁側に座って飲んでいたんだよね」
「そうだったっていうし」
それでというのだ。
「梅干しもあるから」
「するめだけじゃなくて」
「そういうのを楽しみながらね」
そうしつつというのだ。
「飲みましょう」
「そうしようね」
佐京も準備を手伝いつつ応えた。
「今夜は二人で」
「今は許嫁だけれど」
夜空はこうも言った。
「将来はね」
「結婚して夫婦になるね」
「そうなるし」
このこともあってというのだ。
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