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競り合って勝ったことは

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第二章

「西武の選手が結構入って」
「西武の流れ強いのよね、あそこ」
「今はね」
「強かった西武の野球を取り入れて」
「今に至るのよね」
「それで王さんも入って」 
 王貞治、言わずと知れた世界の王である。
「巨人の野球も入ってるのよね」
「南海の流れあっても」
「それでもよね」
「西武の流れ強くて」
「黄金時代の」
「しかも巨人も入ってる」
「そうしたチームね」
「巨人に散々選手強奪されてるけれどね」
 南海時代からだ、それだけ巨人というチームが邪悪極まる行いを繰り返してきているということである。
「カープと一緒で」
「そうだけれどね」
「王さんいるしね、あそこ」
「巨人の流れあるわね」
「どう見ても」
「それで嫌いじゃないけれど」
 千佳は兄寿と同じく巨人以外のチームに悪感情は一切ない。
「交流戦とシリーズにね」
「工藤さん秋山さん王さんのことあるから」
「勝ちたいのよね」
「やっぱり」
「そうよ、そしてその前にね」
 きりっとした顔になって述べた。
「ペナント制覇して」
「クライマックスでも勝つ」
「そうしたいのに」
「阪神でも」
「去年優勝したしいいでしょ」
 千佳はこうも言った。
「日本一にもなったし」
「だから今年はカープ?」
「そう言うのね」
「優勝するっていうのね」
「そして日本一にもなるのね」
「四十年振りにね、いや二〇一六年にね」 
 この年にというのだ。
「二十五年振りに優勝して」
「大喜びで」
「それからリーグ三連覇したわね」
「そうだったわね」
「けれど」
 それがというのだった。
「まず日本ハムに負けてね」
「大谷翔平さんがいた」
「あの時の日本ハムね」
「強かったわよね」
「流石にね」
「リアルバケモノよ、大谷さんは」
 千佳は無表情になって言い切った。
「本当にね」
「そう言うしかないわね」
「阪神こ壮行試合で居合ホームラン受けたしね」
「スリーラン二本ね」
「合わせて六点だったわね」
「しかも投げてえげつない変化球幾つもで」  
 それに加えてというのだ。
「一六五キロだからね、マックス」
「凄いわね、本当に」
「投打二刀流ってだけでも凄いのに」
「どっちも桁外れだから」
「凄いわね」
「そんな人でね」
 大谷翔平はというのだ。
「もうね」
「どうにもならなかったわね」
「それこそ」
「あのシリーズは」
「他の選手もよかったしね、それで翌年は」
 三連覇の二年目はというのだ。 
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