新庄剛志は名監督

「ああ、本拠地により慣れる為か」
「だから秋季キャンプは本拠地か」
「やっぱりちゃんと考えてるな」
「本拠地での試合がペナントの半分だしな」
「そこに慣れて勝てないと話にならないからな」
「このこともいいな」
　皆感心すらした、その中でさらにだった。
「えっ、オリックスから山崎福也獲得か」
「よく獲得出来たな」
「幾つもの球団が獲得言っていて」
「日本ハムは望み薄と思ったら」
「獲得出来たな」
「このことは大きいな」
「先発が一人増えた」
　そうなったことを話した。
「新庄にとって心強いな」
「早速山崎と新庄打ち解けたみたいだな」
「新庄明るいからな」
「しかも選手を責めないしな」
「それでいて言うことは言う」
「独特のカリスマがあるからな」　
　だからだというのだ。
「山崎獲得はフロントがやってくれたが」
「日本ハムはこれから成長するから一緒に成長しようか」
「いい言葉だな」
「それで山崎も来てくれたし」
「日本ハム最下位脱出かもな」
「遂にな」
　ファン達はこれまで以上い希望を見出した、だが。
「五位だな」
「今年は五位だな」
「それ位だな」
「最下位じゃなくなってもな」
　多くのファンも評論家もこう思っていた、幾ら何でも大きな躍進はないと思っていた。それでも二年連続最下位だったので上出来だと思っていた。
　しかしその予想は裏切られた、それもいい形で。
「えっ、強いな」
「日本ハム強いぞ」
「選手が活躍してな」
「新庄の起用や采配がズバズバ当たってな」
「田宮って若いキャッチャー急に出て来たな」
「万波もマルティネスも打って」
「下位打線だってな」
　彼等もというのだ。
「打つしな」
「山崎は加藤と並んでエースだし」
「ストッパーの田中は健在だ」
「守備が兎に角よくなったな」
「かなり強くなったな」
「そうだな」
「やるとは思っていた」
　広岡もここで言った。
「しかしだよ」
「予想以上ですか」
「広岡さんにとっても」
「そうですか」
「新庄監督は」
「そうだよ」
　まさにというのだ。
「私もここまでとは思わなかった」
「そうですか」
「広岡さんを以てしてもですか」
「新庄監督は予想以上ですか」
「そうですか」
「そうだよ」
　唸って言うのだった。
「これは」
「いや、本当にです」
「新庄さんっていうとです」
「現役時代派手で」
「型破りで」
「突拍子もなかったですから」
「それでもだよ」
　広岡も新庄のそうしたキャラクターは知っている、そのうえで言うのだ。