八条学園騒動記
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第七百五十六話 無法地帯だとその七
「だから麻薬も許さないが」
「人はなのね」
エイミーが力説するテンボに尋ねた。
「憎まないのね」
「悪人は法律に委ねる」
「そうして」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「後は裁判の話だ」
「そうなのね、ただね」
ここでだ、エイミーはダンに言った。
「悪人が腕利きの弁護士を雇って」
「逃げることもか」
「あるでしょ」
こう言うのだった、実際にこうした話はこの時代の連合でもあるしエウロパでもマウリアでもあることだ。
「そうでしょ」
「そうだがな」
「放置は守るの」
「そうだ」
絶対にというのだ。
「それはな」
「守るのね」
「法治主義とな」
「民主主義はなのね」
「俺達には絶対だからな」
それ故にというのだ。
「もうな」
「このことはなのね」
「何があってもな」
「守るのね」
「ハットリさんじゃない」
ハマーのことである。
「俺達はな、あの人のやり方も否定しないが」
「法律の中にあるから」
犯人を見付けるとその犯人を自分が始末するやり方はというのだ。
「いいのね」
「そうだ、しかしな」
「あんた達はしないのね」
「俺達は人は殺さない」
絶対にというのだ。
「何があってもな」
「そうした考えだから」
「それでだ」
そう考えているからだというのだ。
「俺達はな」
「悪人は法律に委ねる」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「後は裁判所だな」
「そっちのお話ね」
「昔はおかしいと思われるとな」
ダンが言って来た。
「麻薬をしてもな」
「それでもだったのね」
「精神異常、正常でない状態で犯罪を行えば」
その時はというのだ。
「無罪になった」
「そうだったの」
「日本等ではな」
「キチガイ無罪ね」
エイミーはその話を聞いて目を顰めさせて言った。
「最悪ね」
「全くだな」
「そんなことが許されたら」
そうなればというのだ。
「もうね」
「キチガイがな」
「やりたい放題じゃない」
「そうだった」
ダンはその通りだと答えた。
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