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金木犀の許嫁

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第二十一話 里帰りの準備その五

「そのうえでね」
「働くことですね」
「そうしないとね」
「難しいですね」
「長生き別にブラック企業はね」
「駄目ですね」
「そこにいてもいいことないし長くもね」
 真昼はさらに話した。
「そこで働けないしね」
「自分が壊れるか」
「会社が潰れるかよ」
「今お話してくれた理由で、ですね」
「ブラック企業は評判が落ちてね」
 必然的にそうなってというのだ。
「それでね」
「評判が落ちるとですね」
「信用もなくなるから」
 だからだというのだ。
「誰も取引しなくなって抗議も来るしものも売れなくなって株価も落ちて」
「倒産しますね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「間違って入っても」
「逃げた方がいいわよ、それでおかしなところから逃げても」
 例えそこにいてもというのだ。
「全くよ」
「悪いことじゃないですね」
「部活でもあるからね」 
 学生の頃のこともだ、真昼は話した。
「おかしな顧問の先生がいて」
「それで、ですね」
「そう、暴力振るったりして」
「そんなところからは逃げないと駄目ですね」
「部活で動き悪いとか集まり悪いってだけで暴力振るう人なんて」
「言語道断ですね」
「こんな人のところにいてもね」
 そうした部活にというのだ。
「それこそでしょ」
「全く、ですね」
「いいことなんてね」
 それこそというのだ。
「全くないわよ、そうしたところから逃げるのはね」
「悪いことでなくて」
「賢いことよ、手遅れにならないうちに」
「逃げることですね」
「それと同じでね」
「ブラック企業に入ったら逃げる」
「再就職が難しくても」
 そうであってもというのだ。
「そこにいて碌でもない目に遭うよりね」
「ずっといいですね」
「そうだからね」
 それ故にというのだ。
「間違って入っても」
「逃げることですね」
「取引してもね」
「よくないですね」
「そんな会社取引相手にもいいことしないから」
 だからだというのだ。
「それでよ」
「そうした会社ってわかったらですね」
「取引もね」
「止めることですね」
「偉い人にどんな会社か確かな情報出してお話して」
 そうしてというのだ。
「止めた方がね」
「いいことですね」
「そうしないと」
 さもないと、というのだ。
「取引相手にもね」
「悪い目にもですね」
「遭うから」
 だからだというのだ。 
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