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老人の性欲

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第三章

「流行りだな」
「そうだよな」
「それでそっちの方がな」
「まだ現実的だな」
「そんな爺さんが毎日とかな」
「絶対にないな」
「わし等でもな」
 定年して間もない年齢でもというのだ。
「もうな」
「殆どだからな、そうした漫画もあるぞ」
「わし等の年齢でか」
「毎日お盛んってな」
「そっちの方が可能性あるがな」
 現実にというのだ。
「けれどやっぱりな」
「ないな」
「そんな爺さん世の中に何人いるんだ」
「そうだな」
「世の中広くてな」
 南はそれでと話した。
「七十過ぎで子供作ったとかな」
「そんな話もあるな」
「けれどな」
「そんな話はな」
「本当に滅多にないな」
 それこそというのだ。
「有り得ない位のな」
「凄い話だな」
「何食ってんだそうした爺さん」
 南も日本酒を飲んだ、そうして藤本に問う様にして言った。藤本の家の居間で夜に飲みつつ真剣に話している。
「一体」
「精のつくものばかりじゃないか?」
「それで元気なのか」
「もう大蒜とかな」
「そういうのばかり食ってるか、それ言うとな」
 南は藤本に言った。
「わし等もよく食ってるしな」
「今もこうしてな」
「大蒜だの生姜だの肉だのもな」
 俗に精がつくと言われるものもというのだ。
「食ってるな」
「そうしてるな」
「よく寝てるしな」
「それで大きな病気もしたことがない」
「そのわし等でもな」
 それこそというのだ。
「毎日とかな」
「毎日どころか何ヶ月か」
「それで一回だな」
「それ位だな」
「漫画だな」
「ああ、そしてDVDもな」
「あくまで創作だな」
「爺さんの性欲なんてな」
 それこそというのだ。
「もうな」
「ないな」
「ああ」 
 まさにというのだ。
「本当にな」 
「そうだな」
 二人で話した、そしてだった。
 藤本は飲みつつだ、南に話した。
「孫が高校生でな」
「もうそんな歳か」
「アイドルみたいな彼女を連れて来たんだが」
「何も思わなかったか」
「そうだった」
「わしもだ」
 南もと言った。 
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