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金木犀の許嫁

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第十九話 ハンデその二

「道具として使いますので」
「投げなくてもいいの」
「そうなの」
「使わなくてもいいの」
「武器としても。無理はしなくても」
 鍛錬でもというのだ。
「いいです」
「そうなのね」
「必須ってイメージあるけれど」
「そうなのね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうです、むしろ走ることと」
「それね」
「忍者は素早い」
「そのイメージ強いしね」
「それにです」 
 さらに言うのだった。
「隠れることです」
「大事なことは」
「忍者にとって」
「そういうのが大事なのね」
「手裏剣を投げるよりも」
「そうです」
 こう言うのだった。
「そして道具として」
「使うのね」
「手裏剣を」
「何かそうしたナイフみたいに使うのよね」
「十徳の」
「はい、実はです」
 さらにだった、白華は話した。
「ああしたナイフみたいにです」
「手裏剣使うの」
「忍者の人って」
「そうするの」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「忍者はサバイバルもします」
「そうなのね」
「そうなのです」
 こう言うのだった。
「手裏剣の使い方で大事なのは」
「道具なのね」
「言うならサバイバルツールね」
「手裏剣ってそうなのね」
「忍者の手裏剣って」
「穴を掘ったりものを切ったり」
 手裏剣の具体的な使い方も話した。
「重りにも使います」
「まさにサバイバルツールね」
「昭和で言うと十徳ナイフね」
「そういったものね」
「そうです、ですから投げられなくても」
 それでもというのだ。
「いいです、ですがどうにも動かせません」
「そこまで酷いのね」
「今の猿飛ちゃんの寝違え」
「そうなのね」
「そうです、こうした時はわかります」
 実にという口調で話した。
「障害を持つ人の気持ちが」
「手や足が悪いとね」
「それだけで困るからね」
「怪我した時とかわかるわよね」
「どうしても」
「はい、人は誰でも身体を悪くします」
 例外なくというのだ。
「時として」
「今の猿飛ちゃんといい」
「怪我とかしてね」
「ギプスのお世話にもなるし」
「ずっとってこともあるわね」
「後遺症がある様な怪我をしますと」 
 そうなればというのだ。 
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