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毛が伸びるのに注意

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第二章

 そしてだ、美容院から連絡が来ると迎えに来たが。
「クゥン」
「よし、奇麗になったな」
「刈ってもらったな」
 親子ですっかり毛が短くなったふわりを見て言った。
「身体も洗ってもらったし」
「よかったな」
「ああけれどな」
 それでもというのだった。
「ふわりはな」
「あまり楽しそうじゃないな」
「だから刃物がな」
 鋏がというのだ。
「バリカンもな」
「好きじゃないからか」
「だからな」
 その為にというのだ。
「ずっとそれに接していたからな」
「ストレス溜まってるんだな」
「そうだ、だからな」
 父は息子にそれでと話した。
「家に帰ってな」
「そうしてか」
「まずはご飯とミルクあげてな」 
 そうしてというのだ。
「それからな」
「散歩もか」
「連れて行くな」
「ふわりの好きなことばかりだな」
「いてやるんだ」
「そうするか」
「ふわりは頑張っただろ」
 笑顔でこうも言った。
「我慢しただろ」
「美容院でな」
「毛は定期的にな」
「刈らないとな」
「さもないと駄目だ」
「前に話した通りな」
「伸び過ぎたら汚くてな」 
 そうであってというのだ。
「よくないからな」
「そこから病気にもなるしな」
「ああ、けれど刃物を怖がるんだ」 
 ふわりはというのだ。
「だからな」
「ずっと我慢してストレスが溜まっていて」
「それでな」 
「これからはか」
「ああ、家に帰ったらな」 
 それからはというのだ。
「ご飯とミルクにな」
「散歩か」
「その後はな」 
「好きなだけ寝させるか」
「寝るのはな」
 これはというと。
「ふわりが特に好きなものだろ」
「それが趣味だな」
「散歩と遊びとな」
 それにというのだ。
「寝ることがな」
「ふわりの趣味だな」
「何なら散歩の後でな」
「遊ぶこともか」
「相手してやってだ」 
 そうしてというのだ。
「その後でな」
「寝てもらうんだな」
「そうなる様にしような」
「そうか、じゃあな」
「ああ、頑張ったふわりにご褒美だ」
 こう言ってだった。
 ふわりが家に帰るとドッグフードにミルクをあげて散歩に連れて行った、それから少し一緒に遊んでだった。
 ふわりはその後で満足した顔でケージの中で眠りに入った、一家はそんな頑張った彼女を笑顔で見たのだった。


毛が伸びるのに注意   完


                  2024・5・24 
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