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八条学園騒動記

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第七百五十一話 本名じゃないその十

「その人を秀頼さんの息子としてね」
「処刑して」
「それで終わらせたみたいね」
「そうなのね」
「あの幕府って甘いからね」
 ジョーは徳川幕府についてこうも言った。
「はっきり言って」
「ああ、そういえばそうね」 
 ベスもそれはと頷いた。
「刑罰軽かったのよね」
「当時から見たらね」
「罪は一等か二等減じられるもので」
「死刑もね」
 当時は死罪と言った。
「あまりね」
「されなかったのよね」
「死罪となっても」
 そうした判決が出てもだったのだ。
「最後の判断をする人がね」
「減じていたのよね」
「一番厳しい拷問も」
 海老責めがそれであった。
「刑罰を最後に決める人は老中の人だったけれど」
「その老中の人が判断したのね」
「無体に酷い拷問が行われな様にね」
「ちゃんと配慮してたのよね」
「それで捜査や取り調べも」
 こうしたものもというのだ。
「当時の世界から見たらかなりね」
「穏やかだったのよね」
「時代が時代だったから冤罪も今より多かったけれど」
 これは捜査や取り調べの技術がまだ未熟だったからである。
「かなり人道的で法律が生きていて公平だったのよ」
「そうした捜査や取り調べだったのね」
「それこそ魔女狩りと比べたら」
 連合ではエウロパの醜悪の象徴としてやたら言われている。
「全くよ」
「違ってたわね」
「文明的だったのよ」
 ジョーはこうも言った。
「当時の日本はね」
「封建制だけれど」
「そう、封建制でもね」 
 ジョーはベスに答えた、連合では封建制はよく劣った制度とみなされている。民主主義ではないとしてだ。
「ちゃんとね」
「そうした捜査と取り調べだったのね」
「それで裁判もね」
 こちらもというのだ。
「人道的で法律的で」
「公平だったのね」
「死刑判決が出てもね」
「温情で許される」
「そうしたものだからね」
 だからだというのだ。 
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