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最初は仲が悪かったのに

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第二章

「ボールやラケット練習中に渡し合ったりお掃除もするわね」
「部活してるとな」
「それだけでね」
「何かとやるよな」
「練習以外にも」
「練習でも練習試合でも皆で色々やるでしょ」 
 部活のそうしたことを話すのだった。
「二人もそうでね、一緒に色々やっていって」
「お互い助け合ってか?」
「それでなの」
「喧嘩しなくなったの」
「例えば七瀬ちゃんが久美子ちゃんが持とうとしたボール幾つも入った重い箱を持とうとした時にね」
 そうした時にというのだ。
「七瀬ちゃんがそっと来て一緒に持ったりとか」
「そういえば二人共お互いは喧嘩しても」
「そんなに悪い連中じゃないしな」
「底意地悪くないし」
「困ってる人は見捨てないし」
「だからね」
 それでというのだ。
「そうした助け合いして」
「お互い相手のことわかったんだな」
「そうなのね」
「それでか」
「喧嘩しなくなったのね」
「そうなのよ、何か徐々にだけれど」 
 その娘はさらに話した。
「親しくなってるし」
「信じられないな」
「あんなに喧嘩ばかりしていたのに」
「そうだったのにな」
「私も驚いてるけれど」
 それでもというのだ。
「元々性格が悪くなくてお互い助け合ってるけれどね」
「それならか」
「最初は仲が悪くてもか」
「それでもなのね」
「喧嘩しなくなるのね」
「そういうことね」
 こうした話をした、そしてだった。
 七瀬と久美子は二学期にはもう普通に話をする様になった、昼になってもだった。
「一緒に食堂行こう」
「ええ、今日は何食べるの?」
「私はおうどんにするけれど」
「じゃあ私もね」
 こんな話をして一緒に食堂で食べる位になった、そんな二人を見てだった。
 クラスメイト達は変われば変わるものだと思った、最初は仲が悪かったがそれでもと思うのであった。


最初は仲が悪かったけれど   完


                  2024・5・16 
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