夢幻水滸伝
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第三百四十七話 オクラホマの攻防その六
「撤退させるにもな」
「そやな」
「自分には嫌やろが」
「物凄い嫌や」
その通りだとだ、ガーランドは答えた。
「実際にな」
「やっぱりそやな」
「しかしな」
「それでもか」
「こっちはもうあらかじめや」
「撤退の用意させてたか」
「移動系の術を使えるモンは出来るだけ後方支援に回して温存していたし」
そうしてというのだ。
「それで移動の為の道具もや」
「用意していたか」
「トラックも地下のシェルターに置いてたしな」
「地下のか」
「もう造ってやんや」
「わい等の攻撃を予想してか」
「そや、考えたもんやろ」
「流石や、それでか」
「今から全速でや」
「撤退するか」
「勿論馬も鉄道も使ってな」
そうした移動手段もというのだ。
「それでおらっちが後詰になってな」
「そこまで考えてるか、頭ええな」
「頭よおないとテニスには勝てん」
ガーランドは起きた世界で部活で行っているこのスポーツの話をした、実は子供の頃から行っていて選手として祖国アメリカの大会にも出場している。
「そやろ」
「その通りやな、それにな」
「それに?どないした」
「自分成績もええな」
学校のそれもというのだ。
「そやな」
「そっちも怠ってへんわ」
「脳筋やないな」
「そうならん様に心掛けてるわ」
「それはええな」
「そう言う自分もやろ」
ガーランドはホイットマンに言葉を返した。
「色々考えて勉強もしてるやろ」
「人は努力せんとよおならん」
これがスタインベックの返事だった。
「そやからな」
「自分もやな」
「頭使う様にもしてるで、しかしな」
「それでもか」
「自分が今回そこまで用意してたとはやな」
「思わんかったか」
「ああ、それでか」
「今から撤退する、またな」
スタインベックに笑って話した。
「会おうな」
「こっちの世界でもやな」
「起きた世界でもな」
こちらでもというのだ。
「そうしような」
「ほなな」
「またな」
ここでもスタインベックに笑って言った、そしてだった。
ガーランドは移動の術でスタインベックとの一騎打ちを指揮所まで移動することで離脱しそれから即座に術で霧それもかなり深いものを敵に向かって出して目晦ましとした、そのうえで自身が率いる軍勢に告げた。
「全軍撤退開始や」
「オクラホマシチーまで」
「今よりそうしますね」
「これから」
「そや、術も道具も乗りものもや」
用意していたそれをというのだ。
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