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偽マフティーとなってしまった。

作者:連邦士官
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3-10話

 矢のようにミサイルがベクトラから吐き出される。

「ミサイル?ベクトラ級のミサイルと言えば!」
 ミサイルを破壊するがこれは‥‥囮!?

「ブライトのやった通常ミサイルに核を混ぜるのとは逆で、核に通常ミサイルを混ぜている!?チィッ!随分とできる様になったな!キンバレー!」
 よそ見をしているがヘビーガンがいつ襲いかかってくるかわからないから警戒を密にする。

 そうやって警戒していたのにヘビーガンがなかなか来ないのはフェネクスと遊んでいたからだった。たまにはやるな、リタ・ベルナル!

『不死鳥と言われて勘違いしたのか!金色の分際で!マシーンに操られてるんじゃない!これは俺の意志だ!サイコフレームのオカルトはオカルトらしくさっさと消え去れ!死者は死んでいるから死者であって、現世に繋ぎ止められていたら死人も死んでられないだろ!わかってるのか!』
 ヘビーガンの背中から何かが伸びてビームを吐き出‥‥あの機構はヴェスバー!?いやあの大きさはGバードか!?

『機体に飲み込まれているぞ!憎しみや自分の感情だけで乗るとそうなるんだ!だから、お前はそれに乗るべきじゃない!そんなシステムで勝つべきじゃないんだ!それに乗って勝者になるべきじゃないとなぜ気付かない!』
 リディがカットインするがお前なんでバンシィ・ノルンに乗ってしかも背中にフィン・ファンネル付けてるんだよ!お前だって「バナージィ!バナージィ!」と叫んでいた同じ仲間だろう。

『憎しみだけで傷付けあっちゃいけないんです!そうやっているからみんな簡単に引き金を引けるんだ!』
 バナージまで来たから脱法ヘビーガンは無視して大丈夫だろう。なんでリタとバナージとリディと戦えるんだアイツ。正面を向き直す。

『邪魔が入ったが逢瀬は邪魔が入るほど盛り上がるものだ。私を殺す気で来い!マフティー!』
 何言ってんだ紅茶!むっ、この感覚は‥‥。

『大きいだけが取り柄だろうに!』
 ファンネル・ミサイルがフォズィルに突き刺さる。そして、手にしたニュー・ハイパー・バズーカを撃つそれはペーネロペー、ハサウェイだ。

『邪魔をするな小僧!虹の光に屈折した感情でテロをするだけの存在のくせに!私はあれを見た瞬間に人類の優しさだとわかったぞ!ジェガンだけではなく、ギラ・ドーガまでアクシズを押していた。我々はその優しさを伝えるべきだったのに、迷った挙げ句に戦争ごっこで正義の味方に成りたかったのか?正義の味方になるつもりでテロをして遊ぶ様なヒーローがどこにいるんだ!体制を変えたければ体制の内側から徐々に変えるべきであって、体制を外圧で変えようとすれば人は多く死ぬ!それが歴史というものだ!』
 紅茶野郎にしてはまともなことを言うが、まともな機体に乗ってないから減点でプラスマイナスゼロだな。それにしても前面は硬いが背後にはまだIフィールドの薄さがある。つまり、急造品なのだろう。

『その歴史がシャアとアムロにすべてを背負わせて殺したのなら!歴史の価値はその程度ということだ!それを語るお前が歪みなら、マフティー・ナビーユ・エリンが!いや、俺が!僕が!ハサウェイ・ノアとしてその人類の歩みの歪みが生んだ歴史で作られたお前を粛清する!』
 えぇ‥‥。あちこちでレスバが行われている。ガンダムの掲示板でも新作のガンダムが放映中か新作ガンプラが出た時ぐらいでしか、こんなに猿みたいにレスバしないぞ。ゲーセンのガンダム筐体かよ。おかしいぞ。

「その白いやつはハサウェイ、お前に任せた。俺は赤いのに引導を渡さねばならない。」
 視界の端に白い巨大なものを捉えた。お前嘘だろ!あれは‥‥。

『コウ・ウラキ!吶喊します!』
 より巨大になったGP03のようなものが高速でやってきた。コアはHi-νガンダム!?しかも、コウ・ウラキじゃねぇか!それと異様に速そうなガンダムデルタカイみたいなのは‥‥。

『ユウ・カジマ、友軍の救援を開始する。』
 ユウか。びっくりした。まだとんでもびっくり集団が来るかと思ったよ。なんかリバウやらなんやらも居るけどもう知らん。外伝エース特盛かな?

「赤いの!どこに居る!ネオ・ジオングもどきなのに速いな。」
 そうは離れてはいないはずだが‥‥「斜め後ろやや左にいるぞ。全身に目をつけてみるんだ。」教習所のクソ教官みたいな理論の声が聞こえた。いや、そんな簡単に目をつけろとか言われても人は草食動物ではないので。

「そこかっ!」
 よく見てみるとヨナ達が戦っている。サイコフレーム量が多い戦場だな。サイコフレーム含有率160%増し(当社比)って言った所だ。ゼク・トロイメライのブースターを吹かす。そしてリフレクターインコムの電源も入れる。無いよりはマシだろう。

 ネオ・ジオングもどきの機体が輝き続けているというかオーラのようなものをまとっている。MSやMAの枠組みを超えてオーラバトラーにでもなったのかよ。ダンバインやビルバインより嫌なんだけど。

「ヨナ!下がれ!」
 ヨナはさ、なんで死に急ぐんだ?どちらかというとバナージ組の方に行ったほうがよっぽど安全だぞ。本当に。

『リタの声を聞いたと思ったら‥‥あれはミシェルだったんです!ミシェルだと気付かないでリタ、リタって‥‥結局あの頃から俺は変わってなかった!だから、変わってないのならゾルタンの亡霊のこれだって倒せるはずです!強化人間として壊されていく人を見ても‥‥ミシェルのやり方が許せなかった。でも、あの時にああしてなければ3人になれなかった。ミシェルがあの行動をしてしまったのは俺の甘さだから‥‥。なら、甘さがあるならまたネオ・ジオングも応えてくれる筈なんだ!サイコフレームは軍事兵器の道具じゃない!それをフェネクスは‥‥リタやミシェルは示してくれたんだ!』
 お前‥‥何言ってんの?怪文書を口から流すな!サイコフレームは道具に過ぎない。サイコフレームに魂を惹かれた人間の言うことだぞ!サイコフレームはサイコフレームに過ぎないとなぜわからないんだ?

「良いから下がれ。サイコフレームは道具だ。サイコフレームを特別視するあまり、ニタ研のニュータイプを特別視する奴らと変わらなくなっている。ニュータイプを特別視した結果を知っているだろう?つまりはそれと同じ結果しか生まない。それは悪い癖にしかならないという事だ。」
 サイコフレームに使われるだけの人間になるぞ。サイコフレームは謎の兵器だから、そこになんの意味があるかもわからない。ヨナはそこらへんがさ。結局自分から破滅しに行きたがってるようにしか見えない。

『ニュータイプが特別なら、俺だってニュータイプのはずだ!あの時に‥‥ニュータイプになって魂の行き先を知りたくなったんだ!ただ走り去るフェネクスを!不死鳥の背中を見ながら届かない手を伸ばして!だから!』
 何が「だから」なんだよお前!ふざけんなよ!脳みそから何からフルサイコフレームでフェネクスにサイコジャックでもされてるのか?SIRENの屍人でももっとマトモに動くぞ!猟銃と火かき棒を持った凶悪な奴よりふざけてるのか?なんだって言うんだよ!

「良いから引け!」
 ほら、ネオ・ジオングが動き出してる!いやこの光は緑の‥‥。

『マフティー!私はお前を更に表舞台に立たせたかった。あのバーでの一件があってからだ。それだけは間違いなく言える。お前は宇宙世紀に必要で、私は宇宙世紀に不要だった。ジオン残党狩りと称した宇宙移民への迫害。それをガス抜きに使う地球連邦政府、こうなるのは誰だって予想できた。しかし、それを理解せずにやり続けたのは地球連邦だ。いや、地球連邦軍だ。彼らが己の規模の維持の為にグリプス戦役という内乱を巻き起こし、さらには私が得たデータではわざとデラーズ・フリートのコロニー落としを実行させた。その地球連邦軍の体質を暴いたからこそ、エギーユ・デラーズを私は信じている!ギレン・ザビも地球連邦の欺瞞を破ったのだ!彼らは地球が攻められるその時まで降伏を考えていた!それは宇宙移民が死んでも彼らは動かなかった証拠だ。それこそが地球連邦が病気に、パラノイアに取り憑かれていたのだ!勝者として敗者を宇宙に追い出して何人が死のうが怒りもしない。それが地球連邦の体質そのものだ。だから私はもう一度見せる!あの虹を!あの虹の先を!優しさは人には毒になるのならその毒で人類の毒を制す!わかるか、私の機体のこの力は!この真実の力をやーーー!』
 そこはそうかもしれないが長々と口からそんなことを言うなんて暇人すぎるわ。

「だからといって力をかざせばそれは人類の歪みや毒そのものだろうに!それがわからぬ貴様ではあるまい!人類の優しさを知ったのなら、もう戦うのをやめて貰おうか!戦うだけが人類ではなかろうに!」
 あれはファンネル?うるさい!

「落ちろ!カトンボ!」
 巨大なファンネルをビームライフルでの5回の輝きで9基叩き落として、近づいてきた巨大なファンネルをサブアームで蹴って助走をつけてからネオ・ジオングの放つビームをマニュアル操作に切り替えたリフレクターインコムで反射させる。

 そして収束させて撃ち返し、ビームの光で目くらましをするとブースターを切り離してそのまま質量のある攻撃に使い、ブースターを足場にサブアームで蹴ってから飛び上がり、仰け反るように背面を晒しながらも、そのディープストライカーモドキのゼク・ツヴァイの巨体をくじらのブリーチングの様に動かし、バレルロールをしてインコムを飛ばしてワイヤーの軌道で縛り付けてからリフレクターインコムユニットを切り放つ。俺は全部、マニュアルでこれらをやらされたことに神経が苛立ち、ハイパーバズーカを投げつけて誘爆させるようにジムライフルをサブアームでやり、メインアームで4本のシュツルムファウストを撃って、頭部に付けられたバルカンを放ちながら背面にある背負い込み式誘導ミノフスキー粒子爆雷のサイロを開いて叩き込む。

『そうだ!これでこそマフティーだ!そうだ、これがマフティーの!ジーク・ジオン!ジーク・ジオン!ジーク‥‥!』
 通信が途絶える。原形はまだ残っているが流石にもう動けないだろう。ジャックの次は紅茶野郎だ!許さんぞ!

『俺を忘れるな!俺とお前の仲だろうに!雑魚は黙れ!今、声が聞こえた?いや、まやかしに過ぎない。』
 ヘビーガンに乗っているサイコジェガンストーカーはニュータイプになろうとしているのか?

「争う必要は俺たちにあるのか?無いだろう。俺たちは!」 
 ハウンゼンで少し会っただけだろうに、なぜ固執するんだコイツ!

『いや、あるさ!俺はエゥーゴにもティターンズにも加担しなかった。それが誇りだったのに僚機はある反乱に参加した。それがお前たち、ニューディサイズだ!ティターンズでもエゥーゴでもましてやジオンですらもない半端者がゾディ・アックなんて半端モノを出してきて、それに窮したお前たちはゾディ・アックによる大気圏突破、ゾディ・アック落としを考えてそれに巻き込まれた。シャアの反乱にもニューディサイズやティターンズの残党が紛れ込んで、軌道艦隊の一部の反乱やらに巻き込まれ、ラプラス事件であのフル・フロンタルとやらを追いかけて、不死鳥には仲間を討たれ、そうやっていて退役間近にお前らだ!もう沢山なんだよ!こうやって面倒事や誰かが死ぬのは!だからお前が死ね!そうやって死ぬべきなんだ!争いがうまいやつがカリスマを持って戦いを煽るから無辜の民が死ぬ!俺らはそれを無くすためにパイロットになったんだよ!そうさ!これでもまだ!まだ!俺は地球連邦軍士官なんだ!』
.
 えっ、あっはい。いや可哀そうだなとは思うけど俺は大半関係ないでしょ。そういう不幸の星に生まれた己の運命を呪っとけ。俺は悪くないのが丸わかりだろ。知らねぇよ、俺だって大統領なんかしたくないよ。やりたくないのにやらされるのが大人の義務だろうが!誰がやりたくて仕事や責任なんかを持つって言うんだ!

「それはお前が地球連邦士官だから起きたことだ!嫌なら辞めたら良かっただろうに!俺は辞めたり寝ていたりしていられない!それが周りに責任を持たされた男の末路だ!」
 それを言うとワイヤーアンカーを撃つ。俺の我慢だって限界に近い。許すかよ、お前らのやり方が。

『ふざけるな!男ならここが男の戦場なんだ!そうか、だから俺はあの僚機の新兵をないがしろにしてパイロットになる為の男にしようとしたのか!俺があるならお前も一緒さ!己の意思で!なら戦うしか無いんだ!』
 もう疲れたぞ!俺が踊ったせいなのか!これがバタフライエフェクトと言われるものなのか!ワイヤーアンカーをジムライフルで撃って擬似的なインコムの様な機動をさせてヘビーガンに突き刺して中破させた。

『キンバレーについていった時のようだ!』
 あの61式で中破にしたジェガンのパイロットもお前だったのかよ!


  
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