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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその十八

「それが国益になるかどうかも考慮せずな」
「そうなってはですね」
「最早な」
「政治家として存在理由がないですね」
「まさにな」
 その域に達しているとだ、八条は無花果を食べつつ咎める目で言った。大カトーがローマの為に行った演説の時に持っていたそれを食べつつ。
「落語をしない落語家はまだ他の分野で活躍するが」
「落語が頭にないなら」
「もう落語家でなくだ」
「他のタレントさんですね」
「そうなる、そして国益を考えない政治家はな」
 それはというと。
「落語が頭にない落語家は誰にも害を与えないが」
「最早私利私欲だけになり」
「国を貪る様なものだ」
「市民の税金で国政に出て給与を貰っているので」
「落選させるべきだ」
 まさにというのだ。
「だから彼等はやがて消え去った」
「当時の日本国民に正体がわかってしまい」
「無能でもあったしな」 
 そして国益を考えることすらしていなくてだ。
「そうなった」
「まさに国益を考えその為に動く」
「それが政治家の仕事だ、ただ」
「ただといいますと」
「国益を考えてもだ」
 それでもというのだ。
「ジャパンファーストなどと言ってな」
「その国だけがいいとして他国なぞ知ったものではないとするなら」
「その他国から信頼をなくし疎まれてだ」
 そうなってというのだ。
「かえって国益を損なう」
「そこまで考えないと駄目ですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それが真の政治家だ」
「そして市民もそこがわからないとですね」
「駄目だ、そう主張する政治家がどれだけ目立って注目される人物でもだ」
 例えそうであってもというのだ。
「その主張を見抜いてだ」
「支持出来るかどうかを見極めることですね」
「過激な口調と内容で国益を訴える」
「それは一見刺激的で感じ入ってもですね」
「果たしてそれは長期的に見て国益になるか」
「そのことが重要ですね」
「国益にならないならだ」
 その場合はというのだ。
「支持してはならない」
「それが重要ですね」
「アテネの民主政治はデマコーヴァにより廃れたな」
「衆愚政治に陥り」
「市民が良識を持つことがな」
「そうした政治家を出さないことになりますね」
「国益を考えない政治家もな」
 先程言った日本の政治家達だ、万年野党と言われかつインターネットでは酷評されてきたのには理由があるということだ。 
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