私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
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その後は、ず~ぅっと出会うことも無かった。そのまま、夏休みになって、何日かたった時、香波ちゃんから電話があって
「なぁ 真織ぃー 暇してるんやろー? 一緒に、図書館行って宿題しょっ 家におっても暑いだけやろー」と、誘われて、私は、お下がりのレモンイエローのスカートに胸のところにクロニーがプリントされているオレンヂ色のTシャツで、透けて見えるかと思って一応 下にキャミソールも着た。それに、白いショーツの上から中学からのスパッツも。でも、じんわりと蒸せてきていた。
電車に乗るので、駅で香波ちゃんと待ち合わせをしていると、赤いTシャツに白のタイトなミニスカートで
「真織 珍しいね スカートで」
「うん 暑いからね たまには・・・」
「そう 真織は脚 すぅーとしているから 似合うよ」
図書館に入ると、さすがに涼しかって、自習席は予約制らしかった。だけど、香波ちゃんは、さっさと席に着いていた。
「整理券 頼んでおいたんだ 真織の分も」と、向かいの席の人に会釈していて
「北口誠さんと因幡誉さん ウチの学校の先輩 二人ともね 京大目指してて 今は、浪人中 でもね ウチ等より賢いから勉強も教えてもらえるでしょ」と、私のことを二人に紹介していた。
「ふ~ん 香波 どこで知り合ったん?」
「マクド 隣の席だったの 話し掛けられて ほらっ ウチ 学校の制服だったでしょ だからー OBだって・・・」
なるほど、香波は数学で行き詰った時なんか、解き方を聞いたりしていた。肩を寄せたりして、割と、もう親しげなのだ。だけど、私はひとりでもくもくとやっていた。
お昼過ぎになって、香波ちゃんが
「お腹すいてきたね みんなで マクドにいこよー」と、言ってきたけど
「マオは もう 帰るね お母さんに来ること言ってきてないし 夕方の支度もあるからー」と、だけど、本当はそんなにお小遣いも持ってないし、飲み物を買える程度しか・・・。
「えぇー 帰っちゃうの? ねぇ 明日も来るでしょ 整理券頼んどくからー」と、一方的に決められてしまった。
どうしょうかと悩んでいた。行くことは構わないのだけど、今日みたいにお昼に誘われたりすると、断る口実も無いしなぁー。私は、高校に入ってからも、お小遣いという形では貰ったことが無かったのだ。学校の帰りに食材の買い物を頼まれて、そのお釣りをお母さんに渡そうとすると「マオ 使っていいよ 持ってなさい」と、言われるのだ。と言って、たいした金額じゃぁないの。せいぜい\200程度で、たまに、預かったお金よりオーバーするから、その時に使ったりして・・・。私の、今の全財産は\632なり。お正月のお年玉は小学4年生の時から近くの郵便局に全部貯金してしまうのだ。おろしてくれば、いいのだけど、私は貯金をおろすなんて、悪いことのように思っていたから・・・。
私は、思い切って、お母さんが帰ってきた時、姉ちゃんは史也君の家に行っているから、まだ、戻ってこないうちに・・・姉ちゃんに聞かれるのは嫌だったから
「お母さん 今 図書館に行って、勉強しているの 香波ちゃんと ほらっ あそこはクーラー聞いているから はかどるしー」
「あらっ いいじゃない マオは自分から勉強やるから偉いわねー 1学期はクラスで1番だったよね 織藻なんて 遊んでばっかーで 学年で100何番よー そんでも大学行くって言ってるんだからー どっちみち 私立よねー ウチにどんだけお金あると思ってるんでしょうね!」
私は、余計に言いにくくなってしまったんだけどー。
「あのね 香波ちゃんに お昼って 誘われるのよー マクドとか・・・」
「あっ そうかー じゃぁ これ!」と、千円札を出してくれた。
「あっ ありがとう お母さん」
「いつも お手伝いしてくれてるから お駄賃ね だけど、毎日ってわけいかないわよ! マクドばっかーじゃぁなくて パンと牛乳だけにするとかネ 毎日がマクドじゃぁ そのうち 太ってしまって せっかくの 真織の美貌がだいなしになるの見たくありませんからね! それと、明日、ベーコンと塩鮭、アジの干物 買って来て お釣りはマオが取っといていいわよ」と、又、二千円を渡してきていた。
私は、遠慮していたけど、お母さんがすんなりとわかってくれて嬉しかったのだ。だから、夕食を済ませて、洗い物をしているお母さんの後ろから抱き付いて
「お母さん 疲れてるでしょ マオがやるから 休んでて」と、良い子になっていた。
「マオはやさしいネ じゃー 一緒にやろー」と、お母さんも嬉しかったみたい。
だから、姉ちゃんがお風呂からあがった後、私はお母さんとお風呂に入っていた。お父さんは泊りのゴルフとかで今日は帰ってこないのだ。
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