夢幻水滸伝
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第三百四十四話 奇策破りその十一
デリーロは残っている全軍に対して即座に命じた、その命令はというと。
「テキサスまで撤退するわよ」
「そうしますか」
「これより」
「そうしますか」
「ええ、幸い鉄道はまだ動いているし」
テキサスへの退路のそれがというのだ。
「トラックもあるしね、敵の水軍はまだ動いてないし」
「それならですね」
「これより撤退しますね」
「テキサスに向けて」
「そうしますね」
「戦に勝ち目がないとわかったら」
曽於朱鷺はというのだ。
「もうね」
「撤退ですね」
「そうしますね」
「無駄に戦わず」
「そうするわ、あとルイジアナ州の戦力もね」
ここにいる軍勢以外のというのだ。
「テキサス州との州境までね」
「撤退させますか」
「そうさせますか」
「ここは」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「あらためて州境の守りを固めるわ、そしてカンザス州の戦力もね」
「そちらもですか」
「動かしますか」
「ええ、オクラホマ州まで撤退させるわ」
そうするというのだ。
「あっちの戦局も悪いしね」
「キャノン様がお強いです」
「あの方により攻められてはです」
「我等も危ういです」
「勝つことは容易ではないです」
「そう判断するしかないから」
カンザス州の戦局はというのだ。
「そやからね」
「そちらも兵を退かせ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「オクラホマ州を守るわ、もうこの二州は守れないわ」
ルイジアナ州とカンザス州はとだ、デリーロは苦い顔で話した。
「守りたかったけれどね」
「致し方ないですね」
「この戦局では」
「撤退もまた」
「そうよ」
まさにとだ、苦い顔はそのままで言った。
「だからね」
「はい、それではです」
「撤退しましょう」
「無念ではありますが」
「そうしましょう」
「そういうことでね」
デリーロは街の軍勢を迅速に動かし西に集結させてだった。
そこから駅に道、飛行船も使ってだった。
残っていた七万の軍勢を迅速に撤退させた、ここでも自身が後詰になった。そして州の戦力もだった。
撤退を命じテキサス州の州境に向かわせた、トウェインはその状況を街の市庁舎に入った翌日に聞いたが。
全軍にだ、こう命じた。
「ほなルイジアナとカンザスの完全掌握や」
「それにかかりますか」
「まずは」
「そうしますか」
「敵軍の追撃もしたいが」
それでもと将兵達に話した。
「それでもな」
「今はですね」
「二州を掌握することですね」
「それが先決ですね」
「迅速に進んでもな」
そうしてもとだ、トウェインは話した。
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