| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百四十六話 ベーグルその十一

「寿命が速いですね」
「そうですよね」
「スポーツは特に言えます」
「あっ、選手を酷使しますと」
「怪我をしますね」
「身体の何処か壊して」
 そうなってというのだ。
「それで、ですよね」
「選手生命が短くなりますね」
「そうですよね」
「野球ですと」
 セドリックはこちらのスポーツの話をした。
「ストッパーは」
「そうそう、長くやれる人ってね」 
 ウエンディも応えて言った。
「そうはね」
「いないよね」
「勝つ試合にはね」
「九回投げるけれど」
「何十試合も投げるし」
「それも緊迫した場面で」
 最期を抑えるその試合である。
「精神的にもくるし」
「投げる前に肩ならすし」
「色々あってね」
「酷使されるから」  
 ピッチャーの中で最もだ。
「中々ね」
「長く続けられないね」
「そうなのよね」
 ウェンディは真顔で話した。
「ストッパーって」
「そうだよね」
「左様です」
 ラビの人もその通りと話した。
「野球はです」
「ストッパーの人なんか特にですね」
「酷使されて休めないで」
「寿命が短いですね」
「そうした人が多いですね」
「ずっと続けられる人もいますが」 
 中にはというのだ。
「けれどね」
「それでもですね」
「そうした人は中々いませんね」
「どうしても」
「寿命は短いですね」
「それで先発に転向したいと言って」 
 一定期間空けて登板することはこの時代でも同じだ、連日連夜投げるのは一九六〇年代までのことである。
「転向しますね」
「あの」
 ここでアンがラビの人に話した。
「サチェル=ペイジは」
「二十世紀の人ですね」
「ご存知ですか」
「黒人リーグでしたね」
「はい、アメリカの」
「二五〇〇試合に登板して」
 還暦近くまで現役でだ。
「二〇〇〇勝したという」
「伝説ですね」
「若し本当なら」
 この話がというのだ。
「凄いことですね」
「その人は例外です」
 ラビの人は言い切った。
「私もその人は知っていますが」
「酷使の極みですね」
「一日二試合投げることは普通で」
 所謂ダブルヘッダーである、この時代ではそうそた試合を行うことはドーム球場は天候操作で稀になっている。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧