| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

見たことのない悪夢

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

「慎重に見極めてよ」
「告白して友達付き合いよ」
「してね。私そうしたタチの悪い友達モドキ持ったことないけれど」
 それでもというのだ。
「見たことはあるから」
「だから今お話してくれるのね」
「そう、じゃあ今からね」
「慎重に」
「違うわよ、制服に着替えて」
 二人共まだパジャマ姿故の言葉だ。
「それでね」
「そのうえで」
「朝ご飯食べて歯を磨いてお顔も洗って」
 そうしてというのだ。
「学校行きましょう」
「わかったわ」
 知理は姉の言葉に頷いた、そうして。
 着替えて朝ご飯を食べて歯を磨き顔も洗ってだった。学校に行くと。
「ねえねえちょっといい?」
「知理ちゃんに凄いお話があるけれど」
 その三人の友人達が笑顔でクラスに入った知理に近付いて来た。そして。
「告白しないのね」
「しないわ」
 家に帰ってだ、知理は知恵に答えた。
「じっくりとね」
「その告白しろって言われた相手を見極めるわね」
「まだよく知らないから」
 だからだというのだ。
「そうするわ、そしてね」
「お友達三人も」
「やたら嬉しそうに言って」
 告白する様にだ。
「しかも笑顔で明るくて」
「まだあるのね」
「友達だからとか言うけれど」
「見極めるわね」
「そのままだからね」
 知理は姉に冷静な顔と声で言った。
「夢と」
「それじゃあ」
「あの夢本当にね」
 知理はその夢を思い出して顔を青くさせて答えた。
「怖い位にね」
「酷い夢だったのよね」
「見たこともない」
 そこまでのというのだ。
「悪夢だったから」
「その悪夢のままだから」
「ここはね、起きた時にお姉ちゃんと話した通りに」
「見極めるのね」
「そうするわ」 
 こう言うのだった。
「そうするわ」
「それがいいわね、それで告白する様に言われている人が駄目だと思ったら」
「告白しない」
「そしてお友達もね」
 彼女達もというのだ。
「信用出来ないと思ったら」
「離れることね」
「自分達の都合が悪くなったらすぐに縁を切るなら」
 そうしたことをするならというのだ。
「最初からね」
「友達じゃないわね」
「そうだしね」
 それにというのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧