金木犀の許嫁
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第十話 部活でその九
「実際はね」
「そうしたことはないですね」
「ないわ」
絶対にというのだ。
「そんなことはね」
「だから幾らしてもいいですね」
「男の子も女の子もね」
「想像しても」
「それで私も想像されても」
またこの話をするのだった。
「もうそれはね」
「仕方ないですね」
「しないでって言っても止められないしね」
「女の子も想像するし」
「仕方ないわよ」
お互い様ということもあってというのだ。
「もうね」
「そうですか」
「ええ、じゃあ今から人参切るから」
「はい、私もですね」
「ジャガイモの皮剥いてくれる?」
「わかりました」
かな恵は明るい声で応えた。
「そうさせてもらいます」
「お願いね、お野菜切ってね」
「皮を剥くこともですよね」
「必要だからね」
「基本中の基本ですよね」
「お料理のね。こうしたことが出来ないなら」
それならというのだ。
「もうね」
「お料理もですね」
「出来ないから」
「そうですよね」
「基本がね」
これがというのだ。
「出来ないとね」
「何も出来ないですよね」
「だからね」
そうしたものだからだというのだ。
「今からね」
「先輩は人参切って」
「鈴木ちゃんはジャガイモお願いね」
「それで肉じゃが作りますね」
「今日は切って」
野菜をというのだ。
「明日ね」
「調理ですね」
「切った食材は冷蔵庫に入れて」
そうして保管してというのだ。
「そのうえでね」
「また明日ですね」
「そうなるわ」
「肉じゃがですね」
「それでビーフシチューもね」
こちらの料理もというのだ。
「作るしね」
「どっちもですね」
「食材一緒だから」
肉じゃがもビーフシチューもというのだ。92
「だからね」
「それで、ですね」
「うちの部活こうしたこともね」
「しっかりやっていますね」
「それで刃物使うから」
包丁等のことであることは言うまでもない、刃物を使わない調理というものもそうはないものである。
「火も使うし」
「危ないですよね」
「だからね」
「いつも慎重にって言われてますね」
「焦らないでね」
「うちの部の方針ですよね」
「焦ったら」
そうしたらというのだ。
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