オズのヘンリーおじさん
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第八幕その九
「感謝はね」
「いらないんだね」
「そうよ」
こう言うのでした。
「全くね」
「そうなんだ、しかし」
ここで、でした。おじさんは。
海からトビウオ達が飛び出てお空を飛んでです。
続いてマンタが飛び出たのを見て目を丸くさせました、その幻想的な光景を見てドロシーに言うのでした。
「こんなものも見られて」
「嬉しいの?」
「とてもね、それでだよ」
「私に感謝してくれているのね」
「そうだよ」
「私もよ」
おばさんもでした。
「ドロシーに感謝しているわ」
「私の方こそ感謝しているのに」
「そうなの?」
「親がいない私をずっと優しく育ててくれて」
それでというのです。
「今も家族だから」
「だからなの」
「おじさんとおばさんが感謝してくれているよりも」
それよりもというのです。
「私の方がね」
「感謝しているの」
「そうよ、心からね」
「お互いに感謝しているってことね」
オズマはお互いに感謝していると言う三人を見て言いました。
「要するに」
「そうなるのかしら」
「そうよ、そしてね」
「それがいいのよね」
「誰もが感謝の気持ちを忘れない」
「誰かに対して」
「それこそが最高よ」
こうドロシーに言うのでした。
「もうね」
「何よりもいいのね」
「そう、だからね」
それ故にというのです。
「このままね」
「私達はお互いになのね」
「家族同士でね」
「感謝し合って」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「暮らしていけばね」
「いいのね」
「そうよ、それが一番幸せでしょ」
「そうね、感謝の気持ちを持っていたら」
どうかとです、ドロシーも応えて言います。
「それだけでね」
「嬉しくもなってね」
「幸せでしょ」
「そうよね」
「だからね」
それが為にというのです。
「いつもお互いにね」
「感謝していることね」
「そうよ、けれどドロシーもオズの国の人の多くも」
「感謝されるとね」
「されることはないって言うわね」
「どうしてもね」
「その謙遜の気持ちもね」
このこともというのだ。
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