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犬は酒嫌い

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第一章

                犬は酒嫌い
 今ふわりの家族である国崎家の息子でラーメン屋のチェーン店で働いている洋介は家で飲んでいた、リビングで飲んでいる彼に母の百合子は言った。
「あんた十日に一回の割合で飲んでるわね」
「飲み過ぎは身体に悪いだろ」
 息子は母に飲みつつ応えた。
「だからな」
「それだけの割合なのね」
「そうなんだよ」
 飲みながら話した。
「俺もな」
「身体に気を使ってるのね」
「さもないとな」
「身体壊してね」
「えらい思いするの自分だからな」
 それ故にというのだ。
「本当にな」
「お酒も気を付けてるのね」
「食事もバランスよくでな」
 そうして食べてというのだ。
「それで煙草もな」
「吸わないわね」
「ああ、そうしてるよ」
 ビールを柿ピーで楽しみつつ話した。
「健康第一だからな」
「いいことね」
「自分でもそう思ってるよ、ただな」
 ここで息子はこうも言った。
「しかしな」
「しかし?」
「飲んでるとな」
 ビールを自分の缶からコップに入れつつ話した。
「ふわり来ないよな」
「ああ、よく食べてると来るのに」
「何食べてるのって感じでな」
「興味深そうにね」
 彼女の家であるケージから出てというのだ。
「そうするわね」
「けれど家族が飲んでたら来ないよな」
「当たり前でしょ」 
 母は即座に答えた。
「ふわりがお酒飲んでたら来ないのは」
「ああ、犬はな」 
 洋介も言われて頷いた。 
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