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修学旅行で注目された人

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第二章

「将方さん見るなんてね」
「思わなかったわね」
「修学旅行でね」
「金閣寺とか行くのはわかってたけれど」
「映画村にも行くけれど」
 その将方が収録の為に向かうであろうそこにもというのだ。
「けれどね」
「いや、こんなこともあるのね」
「凄いわね」
「本当に」
「サイン欲しいけれど」
 奈央はその彼を見つつ言った。
「けれどね」
「色紙なんて持ってないしね」
「サインペンもね」
「じゃあそれは諦めるしかないわね」
「残念だけれどね」
「そうね、そんなことお話してる間に」
 将方を見て言うのだった。
「もうね」
「将方さん車に乗ったわね」
「大きな車ね」
「あれリムジンじゃない?」
「あれで映画村に行くのね」
「そうね、映画村に行ったら」
 奈央は希望を抱いて言った。
「そうしたらね」
「会えるかもね」
「そこでね」
「じゃあそのことも期待しながら」
「映画村行きましょう」
 こんな話をしてだった。
 奈央達はバスに乗って自分達の宿泊先のホテルに向かった、その時には将方を乗せた車は何処かに行っていた。
 そして映画村に行ったが。
「いないね、将方さん」
「そうね」
「ネッシーはいるけれど」
「会えないわね」
 収録自体が行われていなかった、それでだった。
 奈央達は彼に会えなかったことを残念に思った、だがそれでも家に帰ると家族に観光よりも先に彼のことを話した、目を輝かせてそうしたのだった。


朱額旅行で注目された人   完


                    2024・3・21 
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