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オズのヘンリーおじさん

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第七幕その十二

「オズの国の踏破はね」
「全部の場所に到達することはないですね」
「絶対にね、そしてだからこそね」
 それ故にというのです。
「いつも新しい場所に行けるから」
「いいんですね」
「そうよ」 
 こう言うのでした。
「本当にね」
「そうなんですね」
「全部行って観て終わったら」
「それで何処にもですね」
「新しく行って観る場所がなくなるから」
 だからだというのです。
「いつも変わっていくね」
「そうしたオズの国だからですね」
「冒険のしがいがあるのよ」  
 そうだというのです。
「これがね」
「そういうことですね」
「そう、それでね」
 ドロシーは恵梨香にさらにお話しました。
「次の冒険ではね」
「新しい場所にですね」
「行こうってね」
「お考えですね」
「そうなのよ」 
 楽しそうにお話します。
「これがね」
「行っていない場所があるということは」
「観ていない場所もね」
「新たに行ってですね」
「観られるということだから」
 それ故にというのです。
「いいことなのよ」
「そうなるんですね」
「知らないことがあることも」
 このこともというのです。
「新たにね」
「知ることが出来ますね」
「そうでもあるから」
 それでというのです。
「これはこれでね」
「いいことですね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「こちらもまたね」
「そうなるんですね」
「恥じゃないのよ」
「行ったことがなくても」
「観たことがなくてもね」
「知らないことも」
「むしろこれからね」
 新たにというのです。
「行って観て知る」
「そうすればいいですね」
「それが出来るから」
 だからだというのです。
「それはね」
「いいことですね」
「そうよ、だから私はこれからもね」
「冒険していくんですね」
「オズの国のあちこちをね、そして見て知っていくのよ」
 恵梨香に笑顔でお話します。
「楽しんでね」
「それはいいですね」
「そうでしょ、楽しんでやっていくわ」 
 笑顔で言ってそのうえでなのでした。
 皆でまた楽しんでいくのでした、漁港の街での楽しい日々は続くのでした。 
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