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夢幻水滸伝

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第三百四十話 もう一つの勢力その三

「やっぱりです」
「何かとあるな」
「通過出来ましても」
 このことは可能でもというのだ。
「将兵が疲れます」
「そうなるな」
「上空を勢力に収めてる小泉さん達とは中立条約を結んでて」
「通過は出来てもな」
「そうした場所ですさかい」
「通らん方がええな」
「はい」  
 そうした場所だというのだ。
「あちらは」
「そやな」
「それでマゼラン海峡は」
 今度はミッチェルが言ってきた。
「まさか、ですよね」
「あそこもこの世界でも難所やな」
「海流が複雑でいつも荒れてまして」
「最初から通ろうって船が少ない」
「はい」
 そうした場所だというのだ。
「あそこは」
「こっちの世界でも有名な難所やな」
「北氷洋以上の」
「わかってるわ、あんなとこそうはや」
 トウェインはミッチェルに苦い顔で答えた。
「通りたくないわ」
「そうですね」
「あの辺りの海はほんまな」
「海流が複雑で」
「島も多い、しかも浅瀬もある」
「難所中の難所です」
「そやからな」
 それ故にというのだ。
「あそこもな」
「通れへんですね」
「あそこもモンスター多いしな」
「むしろ北氷洋よりもですね」
「あそこのモンスターは強めでも数は少ない」
 そうした環境だというのだ。
「実はな」
「そやからですね」
「まだええが」
「マゼラン海峡は」
「モンスターも多いわ、しかもあそこも結構寒い」
 マゼラン海峡の方もというのだ。
「南氷洋に近くてな」
「それで、ですね」
「あそこもあかん、やっぱりカリブ海に出るなら」
 そうしてデリーロ達をそちらから牽制したいならというのだ。
「それならや」
「パナマ運河を通ることですね」
「それが一番や、ほなな」
「アレンカールさんとですね」
「話すか、ブラジルに行くか」
 アレンカールのいるこの国にというのだ。
「そうするか」
「では誰が行きますか」
 ヘミングウェーはそのブラジルに派遣する使者の話を早速した。
「一体」
「わいが行くわ」
 トウェインは微笑んで答えた。
「そしてあいつと直接話をしてな」
「お話をまとめられますか」
「そうするわ」
 こう言うのだった。
「この度はな」
「そうされますか」
「ああ、基地は無理でも」
 カリブ海の方に自分達の水軍のそれをもうけることはというのだ。 
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