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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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16-3

 夏休みになって最初の土、日に大阪代表候補が招集されて、最初の練習日だった。お昼の12時から4時半まで西の丸学院のグラウンドなので、桜子、美玖先輩も見学に来てくれていた。練習は1時間やって15分の休みを取りながらで、熱中症対策には気をつかっていたみたい。

 コーチ陣は私達のA代表には主に根来さんが付いていてくれた。そのせいか、去年の選抜チームのままラインを組ませてくれていた。A代表の候補には20人程居るのだけど、私達は去年も招集を受けて居るから新参者の眼で見られることも無く、それに、私達のメンバーが主力なのだ。だから、桜子、美玖先輩もグラウンドの脇から熱のこもった声を掛けてくれていたのだ。朝陽と鈴花は交代しながら、ラインに入っていて、どうやら試合でも二人を交代させながら使っていくみたいだった。

 月曜日に学校の練習に戻ると、七海ちゃんが

「せんぱ~ぁい 寂しかったですよーぅ」と、甘えた声で寄ってきた。確かに半分ぐぐらいが留守だったのだから、人数もずいぶん少なくなっていたのだ。それでも、10人程残っていたはずだから、我がラグビー部もたいしたものになったなぁーと感じていた。練習には、彩も参加していて、私達はいつものメンバーでラインを組んで、後輩達の指導にもあたっていたのだ。

 そして、1.2年生の選抜チームは全国大会が無いので8月の後半に強化試合という形で兵庫選抜との試合が組まれていた。

 今年のお盆休みにも泉希から敦賀行の声がかかったけれど、すみれが来年、京都の有名市立高校の音楽科を目指すので、その受験勉強の為、パスすると言ってきたので、立ち消えになっていた。私達も進学先を決めなけばならない時期に来ていたのだ。

「それとなく、桜子先輩とか根来コーチから誘われてるやろー 西の丸学院に来ないかって」と、璃々が言ってきて

「う~ん キャンキャンズのみんなに声掛けてるかも 彩も誘われたって言ってた」

「みゅんは 聖女学院にいくんやろー? 中学の時 お母さんと約束したっていってたヤン」と、泉希が聞いてきたけど

「う~ん そーなんやけどなぁー あそこ行くとラグビーから遠ざかるやんかー みゅうみゅんは もっと 皆と続けたい 璃々も泉希も 西の丸に行くやろー?」

「ウチは 行こうかなーって思ってる 先輩も居るし、他のみんなも一応 行くみたいやでー」と、璃々が言ったけど、泉希は、黙ったままだった。

「泉希は?」

「・・・まだ 決めてへん! ウチとこ そんなに裕福ちゃうしー そらー 授業料は大阪府は私学も無料になるって言うけどな やっぱり私立は私立やー 授業料以外にも、寄付金とか授業以外で徴収すること多いやろう? 両親に負担かけたぁーないもん」

「そーやねー でも ウチ等がみんな揃ったら、今度こそ高校で全国行けると思うんやけどなぁー」と、言いながらも璃々は考えこんでいた。

 私も、そーなんだ。まわぁまんまーと中学になる時、苦し紛れに高校からやったらあかんのーって言ってしまっていた。だから、きっと、高校は聖女学院に入れたいと思っているだろう。それに、じっちゃんもばっちゃんも。だけど、私は、みんなと一緒に西の丸学院に進みたいと思っていたのだ。ラグビーをする環境も揃っているし、璃々が言うように、学校代表として全国制覇も夢じゃぁないのだ。

 その結論も出ないままに、夏休みの最後の方で招集が掛かって、2日間の練習の最後に、全国大会の試合のメンバーが発表された。大会は横浜で行われて、女子の場合は2日間でトーナメント形式で、勝ち進むと初日に2試合、2日目に決勝なのだ。私達の最初の相手は、静岡代表チームで、多分次の相手は神奈川になるだろうと言っていた。去年桜子先輩達が負けたとこなのだ。

 根来コーチは、初戦に私達の第2チームといえるメンバーを選んでいた。そして、2戦目には私達のメンバーを選らんでいたのだけど、初戦の状況によっては交代させるから、つもりしておけと言っていた。

 その1週間前の日曜日、選抜チームの強化試合があって、応援に行って、沙菜と晶は先発で、輝姫、加奈子と麗は交代要員で出ていて、それぞれが活躍していて、大阪選抜が勝利を収めていたのだ。なかでも、輝姫は動き廻っていて、的確なパスで、私からみても素晴らしい活躍だった。彼女なりにすごく努力したんだと思う。

 2学期が始まって登校すると、いつものように校門の横には (跳んだ! ラグビー部 女子 全国大会 3年生A代表出場へ) の幕が掲げられていた。

 そして、3者面談が始まっていた。私はばっちゃんと、国守先生。

「水島 まだ 志望校書いていないが どうなんだ?」

「うー 決めていない」

「えー 実海ちゃん 聖女学院なんでしょ」と、ばっちゃんは驚いていた。

「うん まぁー」と、私はハッキリしていなかった。

「水島は 今 全国大会のことで頭がいっぱいなのはわかる がなぁー それは、進学とは別問題なんだよ 学校側にも 指導ってもんがあるから ある程度は決めてもらわないと」

「だよね 担任としても、困るよねー じやぁー とりあえず聖女学院ってことにしといて」

「とりあえずって なんだよ 紅林先生からも聞いたが 西の丸学院 招聘が来てるんだってな スポーツ推薦で◎だって キャンキャンズのみんなに」

「うん 聞いた でも・・・ お母さんと聖女学院に行くって約束したから・・・」

「水島 君が始めたんだものなー キャンキャンズ でも、もう 後輩達も頑張ってるよ もう いいんじゃぁないのか? 他の道でも」

「先生 よーぅ そんな冷めたこと言えるなー みゅうみゅんのこと弁護してくれたやんかー みゅうみゅんのタックルの相手してくれたやんかー みゅうみゅんは嬉しかったんよー あの時・・・」

「わかったよー そんなつもりじゃーぁ」

「実海ちゃん ラグビー 続けたいの?」と、ばっちゃんが

「うん みゅうみゅんに集まってくれた仲間と みんなで揃って全国行きたい」

「まぁ 今度の全国大会終わるまで 保留ってことにしょうか 泉希も迷っているみたいだから」

「先生 泉希も?」

「うん まぁな」

  
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