夢幻水滸伝
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第三百三十九話 境を接してその六
「そう思っています」
「それではどうされますか」
鹿人の女の官吏が尋ねた。
「お二方とは」
「同盟、いや同じ勢力になってです」
ミニーはその官吏に答えた。
「一緒にやってこうかとです」
「お考えですか」
「そうなりはじめてます」
そうだというのだ。
「今は」
「そうなのですか」
「はい、どちらの人か」
若しくはというのだ。
「お二人と」
「同じ勢力になり」
「一緒にです」
「ことを進めていかれようとですね」
「考えています」
今はというのだ。
「ほんまに」
「そうなのですね」
「そして」
ミニーはさらに話した。
「このユタ州も他の州もよりよく治めていきたいです」
「力を合わせて」
「州は一つの国ですが」
行政単位としてそう言っていいというのだ。
「しかしです」
「一国ではですね」
「行えることに限りがある」
「そうもお考えですね」
「そうですさかい」
だからだというのだ。
「他の人と」
「そうですか」
「ではですね」
「これからは」
「ちょっと他の星の人と話します」
官吏達に話した。
「それも隣接している」
「まさにホイットマン様とスタインベック様ですね」
「お二方ですね」
「そうなりますね」
「そうなります、ほなです」
ミニーは意を決した顔で官吏達に話した。
「これから使者を送ります」
「そうされますか」
「この度は」
「そうしてですか」
「これからのことを進められますか」
「そうします」
こう言って即座に二人に使者を送った、ホイットマンはその使者の話を自身の執務室で聞いてグレムリンの初老の男の彼に言った。
「実はおいらもな」
「お考えでしたか」
「これからどないしてくかな」
こう言うのだった。
「考えてたんや」
「そうでしたか」
「そこで自分が来た」
ミニーからの使者が来たというのだ。
「そうやねん」
「そうですか」
「一人より二人やな、いや」
ホイットマンはその目を鋭くさせてこうも言った。
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