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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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15-3

 次の日、泉希と璃々を誘っていた。それに、おばちゃんへのお土産として、利勝に宿場餅を頼んでいたので、ついでに彼も誘ったのだ。璃々も来るって言っていたから・・・。利勝へのお礼のつもり

 私は、フード付きのポンチョにハーフブーツ、泉希はスタジャンにショートパンツとロングブーツ、璃々はフード付きの長いトレーナーにニーハイとスニーカーとそれぞれで駅前に集まっていた。利勝が少し遅れてやってきて

「すまん すまん ちょっと 手間取ってしまって」と、私に、包みを差し出してきた。

「おー いつも すまねぇなぁー」

「しゃーないやん いっつも 強制みたいに言ってくるもんなー でも 美人3人組を見れたから ラッキーだよ」泉希は意味も無く、利勝の背中を叩いていた。

 お店に着いたのは、1時過ぎだったのだけど

「おばちゃん あけましておめでとうございます」

「ああー あんた等かぁー 今 やっと 一息ついたんじゃ 開店から今まで焼きっぱなしだよー」

「えー そんなに買う人 居るん?」

「うん みんな おせち料理に飽きたんだろー 料理するのも面倒で お昼に手軽に済まそうと思ったんだろうな」

「ふ~ん あっ ウチ等のはゆっくりでいいからね おばちゃんの顔見に来ただけだからー それと、これお土産 こいつが作ったんだよ」

「へぇー 嬉しいこと言ってくれるねぇー」と、おばちゃんは包みを開いて

「あっ これっ 宿場餅かえ?」

「そーだよ 出来立て 修行中だから売りもんちゃうけど 味はそんなに変わらんと思うでー」

「へぇー みず屋さんの?」

「そう バカ息子! でも優しいよ」

「そうかい じゃぁ 後で 有難くいただくネ あっ そうだ あんた等 すごいネ 広報誌見たよ あの写真の飛んでるような子も時々来てくれるんだよ」

「へっ 朝陽だ もう有名人だよー」

「あんた等はすごいよー あっという間に 関西大会だ 直ぐにオリンピックだね そうだ 今のうちにサインしておいてよっ オリンピック選手が食べた店って自慢するからー 次は色紙用意しておくからね」

「うふっ おばちゃん そんなことになったら お客さんが今日みたいにいかないよ」

 そんなことを話している間に、璃々と利勝はサッカーの話なんかをしていて、以前みたいに少しは無視しなくなっていた。利勝は嬉しそうに、話し込んでいたのだ。

 次の日の練習で、サッカー部とのグラウンドの交代の時、私は重光君に

「なんで みゅうみゅんは誘ってくれへんのっ!」

「なにをー? なんか?」

「たこ焼き!」

「えっ ・・・そんなん 帯士からやろー」

「たっ君はそんなこと言う奴ちゃうやろー 重光君の仕事やー 後から行くからなっ ゆっくり食べててやー」

「わかったよー みゅうみゅん なんか 威圧感増して来たなー」

 私は、朝陽、栞奈と輝姫を誘って、急いでお店に向かった。お店に着くと、まだ彼等はぐだぐたしている様だった。おばちゃんが私達の顔をみるなり

「そうだ 色紙用意しておいたからね サインしとってー」と、渡してきた。

「えー なんやのー どーすんの?」

「名前書いとったらええねん スターの子も来てくれたんか そっちの子は初めてやなー」

「うん 後輩の子」

「あっ そう でも 見たことがあるような気がするなー どこやったかなー」

「なんで 色紙なんやー」と、重光君が割り込んできて

「この子等 そのうちオリンピック行くやろー だから、今のうちにサインもらっとくんやー」と、おばちゃんがたこ焼きをひっくり返しながら言っていたら

「はぁー ・・・確かに その勢いやなー それに、キャンキャンズは不思議とそれなりの顔してるもんなー みんなアイドルやー」と、颯君も納得していたみたいだった。

「なんやー それっ どういう顔やー そんなに可愛いってことかぁー まぁ ええわー なぁ 君達は高校の合格祈願とか行ったのかい?」

「そんなん行くかい! 帯士と颯はしてきたみたいだけどな」

「えっ たっ君 行ったん? そんなことゆうてへんやったヤン」

「あぁ 毎年 お母さんと京都の今宮神社に行くからな 元旦に」

「あっ そうかー 颯君は?」

「うん 天満の天神さんに・・・ 桜子と美玖と・・あいつ等は合格のお礼ってことでー」

「はっ 先輩とぉー そうかぁー ねぇ もう おしゃれするって言ってたけど そんなんやった?」

「ふたりとも 着物で来ていた」

「えっ そうなん? ねぇねぇ きれいかった?」

「まぁな」

「わぁー 颯君 照れてるん? 写真とか無いの? 見せてよー」

「そんなものあるかい あいつ等は撮ってたみたいだけどー」

「なぁ 高校は離れ離れになるね 悲しい?」

「そんなー 全く会えなくなるわけじゃぁないと思う 美玖はラグビーを続けたいんだろうから・・・」

「へぇー 美玖とねぇー」

「あほっ 美玖と桜子だよ!」

「ふ~ん 泉希はやっぱり ダミーか」

「・・・」

「みゅうみゅん そんなに 颯を追い詰めるようなこと言うなよー」と、たっ君が止めに入っていたので、私は

「ねぇ 出口中の朝陽の先輩っていう人は?」と、朝陽に向かって

「ふう? 左近さんのことかぁ? よう 知らんでー」と、とぼけたような返事だったので、私はふたりのことをそれ以上は突っ込まなかったのだ。
 
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