ヘタリア大帝国
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TURN51 降伏その八
「一つ宜しいでしょうか」
「何?」
「日本の国力では一国ではソビエトと戦うことは」
「無理だっていうのね」
「ソビエトはロシア帝国よりさらに強大です」
「日本も強くなったけれどね」
「あの日露戦争でも限定勝利でした」
勝つには勝ったが何とか、という感じだったのだ。日本にとっては辛勝だったtことは紛れもない事実である。
「ですから一国だけでは」
「あっ、援助はするから」
「そうしてですか」
「戦ってもらうわ。そうするから」
「そうですか。それでは」
「ええ。ガメリカも含めて他の国は直接兵は出さないけれどね」
それでもだというのだ。
「援助はするから 」
「そうしてですか」
「戦ってもらうわ。これがガメリカの方針よ」
「わかりました。それでは」
イザベラもキャロルの言葉に頷く。そうした話をしてだった。
彼女もまたステーキをおかわりする。そしてこんなことを言った。
「ステーキはやはり」
「何だっていうんだい?」
「レアがいいですね」
アメリカに焼き加減の話をしたのである。
「この焼き加減が」
「そうか。イザベラはレア派なんだな」
「そうです。ミディアムよりも」
「確かにレアはいいな」
見ればアメリカもその焼き方だ。そのステーキを美味そうに頬張っている。
「それにソースは」
「あっさりと」
「ソイソースはかけないのかい?」
醤油のことである。彼女が日系人だから言ったのではない。
「あれも美味しいからな」
「ソイソースですか」
「そうだ。中国に勧められたんだ」
醤油は中国も使う。アメリカが言ったのはそこからだった。
「美味しいからどうかってな」
「それでどうだったでしょうか」
「うん、美味いぞ」
実際にアメリカは今ステーキに醤油をかけて食べている。とはいっても和風ではなく中華風の味付けになっている。
「あっさりしていてな」
「ですね。私も好きですが」
「今は食べないのか?」
「少し。遠慮します」
こう言うのだった。
「今は」
「そうするのか」
「チーズの上にこのソースで」
ウスターソースだった。それとチーズの組み合わせである。
「食べさせてもらいます」
「そうか。そうするんだな」
「はい、では」
「食べて栄養をつけてだな」
「勝ちましょう」
イザベラは確かな顔でアメリカ達に言い切った。
「絶対に」
「そうだな。何があってもな」
「はい、ガメリカの為に」
確かな笑みでアメリカに応える。彼女は紛れもなくガメリカ人だった。
その同胞の彼女にキャロルが言う。
「今回もね」
「第一陣ですね」
「その指揮頼むわね」
イザベラはその戦い方から先陣を任されることが常だ。それは今回もだった。
「派手にやっつけてやってね」
「お任せ下さい、それでは」
「当たって砕けろよね」
「はい」
まさにそれだった。
「そうさせてもらいます」
「是非ね。頼んだわよ」
キャロルはそのイザベラに笑顔で告げる。
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